2024年10月(社内回覧書類より抜粋)
長くて暑い夏も終わり、やっと秋を感じる天候になってきました。
現場としては、1ヶ月もすると寒くて外での業務が嫌になるような日も出てくるかと思います。
北陸の3ヵ月予報を見ると11月は「平年と同様に曇りや雨の日が多いでしょう」
12月は「平年に比べ曇りや雨または雪の日が多いでしょう」と出ています。
天候を見ながらの工程管理を宜しくお願い致します。
さて、ある講演会の中で「課題解決力」と「課題発見力」という言葉についての説明があり、
非常に興味深く聴く事ができましので、その違いを含め掘り下げて考えてみました。
その違いを考える前に、「課題解決力」と「問題解決力」について考えてみました。
違いは解決すべき事柄へのアプローチの仕方です。
また、「課題」とは、目的を達成するまでに生じる障害やギャップのことで、
「問題」とは、現在発生している解決すべき事柄を言います。
「課題解決力」=「将来に向けて生じる障害やギャップが発生しないようにとする力」
「問題解決力」=「現在発生している解決すべき事象を解決する力」
と考えられ、「課題解決力」の方が「問題解決力」より高いスキルが必要となると考えられます。
仕事に例えれば、季節商品があった場合、人手が足りなくなる季節の期間のみ臨時で人を雇うのは
現状を一時的に対処する「問題解決力」であり、「課題解決力」は、業務で無駄がないか洗い出し、
仕事を効率よく進めるためにシステムを変える働きかけをする事です。
「課題解決力」は、困りごとが起こらない仕組みを作る能力とも言い換えられます。
そして「課題発見力」は「現状を分析し目的や課題を明らかにする力」であり、
「要求される水準を十分に満たしてはいるが、「この現状をさらに良くすることはできないか」
と新たに課題を探し設定する力」と言えます。
これをビジネスや仕事に置き換えると、日常の業務が滞りない状態であっても
「現状よりさらに改善できることはないか」と新たな課題を見つけ出す力が「課題発見力」であるといえます。
例えば、「月間のノルマは問題なくクリアする実績を上げているが、
この実績を今より1.5倍に延ばす方法はないか」と思考するようなことです。
滞りなく日常業務が回っている平常時においてこそ、「課題発見力」が必要となってきます。
大きなトラブルに発展する前に、見落としている課題が放置されていないか気づく必要があります。
また企業が継続的に発展していくには、現状に満足せず「未来に向けた次の一手」を考え、実践しなくてはなりません。発展のための課題を抽出し施策を存分に実施できるのも平常時であるといえます。
以上を考えるとスキルの高さからいうと
「問題解決力」<「課題解決力」<「課題発見力」
と言えるのではないでしょうか。
それでは、「課題発見力」が不足しているとどのような問題が発生するか考えてみると、
「課題発見力」が不足する組織は、誰もが指示待ちの状態になってしまうという傾向が出ているそうです。
指示待ち社員の増加や社会の変化に立ち遅れてしまうなど、さまざまな問題を発生させます。
言われたことに素直に取り組める実直な人材が多い一方で、自ら仕事を生み出して取り組んでいく冒険心や、
「われこそは」と他に先んじて取り組む成長心に欠けているとも言われています。
既に明確化されている課題を解決する力を持った人材も必要ですが、企業の持続的な成長を実現するためには
一歩先の未来を見据えた課題の発見を行うことができる人材が必須となってきています。
一人や二人ではなく、全社員が「課題発見力」を伸ばして行かないと社会の変化に立ち遅れてしまう気がしました。
日々の技術の進化はめざましく、もはや現状維持だけでは競争力を確保できません。
社会の中で代わりのきかない「オンリーワン」の存在として活躍するためにも、
「課題発見力」を磨くことが求められています。
精進していきましょう。