2020年3月(社内回覧書類より抜粋)
年明けから、かつて無いような特殊な日々を過ごしているような気がします。
暖冬や雪が無いという特別感もあるのですが、何と言っても、
コロナウィルスによる影響が世界的にも大きな影響と衝撃を与え続けています。
日々報じられる感染者数の増加とそれに伴う死亡者の増加、
経済にも深刻な打撃を与え、株価の大幅な暴落と
中小企業も含めた大々的な経済活動の縮小、そして全世界的な影響と…
リーマンショック時には、大企業から徐々に影響が出ていた感じがあったのですが、
今回の「コロナショック」ではダイレクトに商店街の飲食店や観光業に影響をもたらしています。
多くのイベントで中止や延期がなされています。
いつまで続くかわからない不安が、人々の心理をマイナスに引っ張り続けています。
3月11日は未曾有の震災であった東北大震災から9年という事で
毎年多くの特集番組がメディアで放送されていましたが、
今年に限っては慰霊祭も行われない状況でした。
日本だけではなく、全世界が出口の無いトンネルの中にいるような…そんな状況になっています。
ある雑誌に、脳科学者の茂木健一郎氏が
『成功への物語〜コロナ危機を好機に変える「楽観力」〜』という文を寄稿していました。
「新型コロナウィルスの感染が広がっており大変な危機ではあるが、
リスク対応の課題を脳の動きから見ると、それは危機であると同時に
学習のチャンスであるともいえる。」と書いています。
今回のような事態=不確実性がたくさんあり、何がどう起きるか分からない事態では、
(不確実性を前提として)起こり得る様様な出来事に対して準備をしておくことが重要であり
(緊急時対応計画=コンティンジェンシープラン)、いざというときの人員の配置計画や物資の輸送計画、
予算措置、一人一人の役割分担や行動計画など色々とシミュレーションして準備しておくことで、
いざというときの安全安心につながっていく。とも書いています。
これは危機対応だけではなく、ビジネスにも応用できるともいえる様で、
市場の動向、商品やサービスの生産、物資等の供給計画、人的資源の準備や展開、
それ等の緊急時の対応計画などとは脳の使い方が基本的には同じなのだそうです。
そんな考えられるいろいろな事態に備えて準備をしておくという事は、
精神的にも安心につながり、前向きの気持ちを持つことができるようになります。
危機管理の鉄則は、最悪の事態を想定して準備する一方で、暗い気持ちになるばかりではなく、
最善の結果になると楽観的な気持ちを持つことも脳にとっては重要な事のようです。
「ピンチはチャンス」という言葉は、厳しい状況を経験してこそ得られる経験がある事を指しているのだと思います。
現状では富山県は地震や台風被害の影響が比較的少ない地域であり、
それらに対応する危機管理も机上のものでしかありません。
今回のようなピンチを良い機会と捉え、最悪な事態を想定しつつ、前向きにピンチを克服出来る様に、それぞれが、
それぞれの立場で精一杯考えることが一番大切な事なのだと思います。
一瞬、一瞬を大切にして、いつかこんな事もあったなと懐かしい思い出になるまで頑張っていきましょう。