2007年12月(社内回覧書類より抜粋)

いよいよ本年も終わりに近づきました。社員の皆様には日々努力をしていただき、私としても充実した2007年を送らせて頂いた事に感謝しています。社員の皆様にとっても、この厳しい時代を乗り越えるための収穫のある一年になったと信じています。今年は雪が多いという発表もあったような気がしますが、気候だけでもこのままの穏やかな日が続けばよいなと思っております。
さて、今回の一冊は、パコ・ムーロの著書で「なぜ、エグゼクティブは書けないペンを捨てないのか?」から取り上げさせていただきます。以前9月の紙面にて、同著者の「なぜ、エグゼクティブはゴルフをするのか?」を取上げさせて頂きましたが、今回それの続編が出版され、前作同様興味深く読むことが出来ましたのでその一部を紹介させて頂きます。

業績が不振なとき、仕事量が多いときは、
仕事の時間を増やすのではなく、(仕事の)質を上げなくてはならない。

仕事が増えたらもっと長く働けばいいという考えは、お金が足りなければもっとお金をつぎ込めばいい、というのと一緒である。それは単なるその場しのぎにすぎない。
もっと創造的に解決策を考え、根本的にやり方を変えるべきだ。業績がふるわないとき、仕事量が多いときは、仕事の時間を増やすのではなく、質を上げなくてはいけない。
また、会社(経営者)はあくまでも、社員が仕事に多くの時間を費やすことを要求しているのではなく、仕事の成果を要求しているのである。また、その成果によって得ることの出来る利益を追求しているのである。会社(経営者)は社員を酷使しようとしているのではなく、成果さえ達成することが出来れば成果のために社員を酷使する必要は無いのである。
むしろ、社員を酷使することは利益と相反するものであり、快適な職場環境、労働時間の適切な長さや周期、生活の質を保証するきちんとした就業規則が整い、積極的でやる気に満ちた空気が醸成されてこそ社員はきちんと仕事をすることができ、それによって会社の生産性も高まり、利益も増大する。
長時間の仕事が必要だということは、仕事の量が多すぎるか仕事のやり方が悪いということにある。やり方が悪い場合は、仕事の優先順位を決めるか、仕事のやり方を工夫するかしなければならない。仕事の量が多すぎる場合は、人の助けを借りたりして何らかの外部からの対策が必要であるが、それは決して長く働いてくださいということではない。
会社が把握するのは、社員が「何時間働いたか…」ではなくて「どんな働きをしたか…」である。1日に10、11時間以上も働く人は多いとは思うが、そういう人は数日、休暇を取ってバランスを取るべきである。休養は必須である。これらは、社員全員が会社の理念を守り、良い仕事をしようと努力してこそ可能になる。

これは、現状の皆さんの仕事のやり方を批判している事では無いということだけは理解していただきたい。あくまでも、社員の皆さんが満足して仕事が出来る環境、そしてそのような雰囲気のある会社作りを目指さなければならないと良い仕事が成果として現れてこないということを考えている事に共感を得ることが出来たということです。
少し前までは顧客満足(CS:カスタマー・サティスファクション)が企業にとって重要視されていました。しかし現在では従業員満足(ES:エンプロイ・サティスファクション)の方が先ずありきというように言われています。お互いに満足できる、より成果の高まる職場環境の創造にお互いに努力していきましょう。
年末年始の時期ですが、十分な休養そして英気を養っていただき、1月4日の出初の会には全員が晴れ晴れとした顔で新年を迎えられるように期待をしております。

また、給与明細に添付して書かせていただいている冊子ですが、この度、本社の1階の応接室に設置させていただくことになりました。是非、興味のある本がありましたらご一読をお願いいたします。

2007年12月25日

上田 信和

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