2008年2月(社内回覧書類より抜粋)
年末年始の頃は過ごしやすい日々が続いていましたが、北陸の冬らしく雪も積もり、寒い日が続いています。体調はいかがでしょうか。年度末も近くなり、工程管理に何となく慌ただしい毎日を過ごしている社員の皆様も多い事でしょう。安全と健康に留意し、もうすぐ来る暖かい春を全員笑顔で迎えることができるように頑張りましょう。
さて、2月4日より、縁あって、当社の新しい試みとしてビジネスモデル「建サク」の北越地区(新潟・富山・石川・福井)エリアの運営会社をスタートさせて頂きました。既に多数の新聞紙上にて発表して頂いているので、ご存知の方も多いかと思っております。本来であれば、社員の皆様に事前にご理解を得ながらスタートすべきではあったのですが、発表の期日・準備等の関係もあり皆様方への告知が遅くなりました事をお詫びいたします。詳細については「建サク」(http://www.ken-saku.jp/)を是非見ていただき、砺波工業の社員として、まずはご理解をお願いします。当社がエリア運営会社として参画・協力をすることにより、この地域を「地域に根差し、技術力のある、頑張った企業が救われる」そんな地域社会にしていきましょう。
ビジネスモデル「建サク」
建設会社は全国で約56万、その約99%が中小・零細企業です。その企業活動を支えてきた公共工事はここ10年で半分に減少しています。企業間競争の激化と、利益率の減少、入札制度の変更や法令の改正による混乱等よって、建設会社の一部は会社自身を維持していく事が困難となり、やむなく廃業や倒産に追込まれています。しかし、緊急時の災害復旧や、大雪時の除雪活動等は、地域の中小・零細の建設会社が行ってきた事で、地域の安全で安心な生活を守っていく為には無くてはならない企業のはずです。
北陸地方においては、北陸新幹線、能越道等のビックプロジェクトはありますが、それらに対応できる企業は限られており、都市部との地域間格差や、季節間の仕事量の変化が、特に重く各企業の負担となっているのが現状です。更には、折からの企業間競争により重層下請けの末端企業である中小・零細企業の専門業者の利益率は極小化され、企業の活動の源にはなり得ません。
当社は、この地域の建設業のリーディングカンパニーとして設立され、今日に至った経緯があります。この地域の活性化無くしては当社の企業活動は成り立たないのも事実です。既に全世界に伸びたデジタル網を利用し、都市と地域の地域間格差・季節間格差を無くし、情報の共有と仕事量の平坦化をもたらす事によって、企業の活性化を行い、地域の活力を生み出し、そんな社会貢献の一助として活動を行っていきたいと思っています。
愚直(正直すぎて気のきかない・こと(さま)。馬鹿正直。)という言葉を知る機会がありました。当社の社是にも「誠実勤勉」という言葉がありますが、それにつながる言葉かと思って大変好きになった言葉です。また、そんな折「愚直(ぐちょく)に積め!」(著者:辻 俊彦)という本にも出会う事ができました。著者はベンチャー企業の取締役や投資を行っている起業家ともいうべき方です。表向きは華やかな感がある中にも、流行の起業家の経営の心底にも、この様な考え方があるのだという感覚とともに、以下の文章があり感銘を受けました。是非、熟考して頂ければと思います。
企業は継続するために存在します。事業によって利益を上げることが求められるのも、継続していくために必要だからです。昨今は、短期的な勝ち負けで評価をされがちですが、最終的に長く生き延びた企業こそが本当の成功企業と言えるでしょう。そのためには何よりも「愚直な積み重ね」が必要です。
強い企業は、努力を継続できる企業です。
社員の能力も「愚直な積み」を継続できるかどうかで評価されるべきだと思います。
2008年2月25日
上田 信和