2008年3月(社内回覧書類より抜粋)

いよいよ、年度末となり春の兆しが感じられる季節になりました。当社は9月末を決算としていることから、ちょうど半期の決算時期にあたります。本年度も皆様方の努力により目に見えて完工高が増加しているように感じています。日頃からの頑張りに深く感謝いたします。
さて、皆さんは“朝令暮改”という言葉をご存知でしょうか?あまり良い意味の言葉ではありません。(朝令暮改:命令や政令などが頻繁に変更されて、一定しないこと。朝出した命令が夕方にはもう改められるという意、あてにならない事)しかし、今これだけ物事が激しく変化する時代にあっては、常に正確に状況を把握しながら対応をしていくことが必要になっています。
そういう意味で、今月は「朝令暮改の発想」(著者:鈴木敏文 セブン&アイ・ホールディングス代表取締役会長)という本を紹介いたします。サブタイトルに「仕事の壁を突破する95の直言」とあるように、コンビニエンスストアの先駆け、セブン・イレブンの創業者でもある著者の経験を端的にわかりやすく文章化してあります。是非とも時間をつくって読んでいただくことをおすすめします。

直言47 変化に対応して「朝令暮改」ができる方が大切

いつでも変化に対応できる体質はあらゆるところに求められます。一度組んだシステムであっても、状況が変化したら、すぐに白紙から組みなおせるような対応力を組織全体として持っていなければなりません。そして、社員に求められるのは、状況に応じてゼロから仕事を組み立て直せるような高い柔軟性です。一度立てた計画をいかに維持するかではなく、状況が変化したら、優れた計画であっても固執することなく一度まっさらにして、新たな仮説に基づいた新しい計画に切り替え、素早く対応することです。たとえそれが朝決めたことであっても、間違いだと気づいたなら、直ちに変更する。それを「朝令暮改」というなら、臆することなく朝令暮改に徹すべきです。
それは、仮設と検証を柔軟に回していくことのできる組織であり、変化の激しい時代には、朝令暮改をあたりまえのように行なえることこそが本当に求められている仕事力と考えるべきです。
晴天から雨に変わって傘をさしたからといって、「晴れていたときと違うではないか」と責める人はいないでしょう。変化の時代には、むしろ朝令暮改が必要なのです。

(柔軟な考え方と、変化への適応力を平素より心掛けて過ごしたいと感じました)

直言69 仕事量と人員の関係

時間の活かし方について考えましょう。よく、仕事量が多くて苦しいのでチームに人を増やしてほしいと希望されます。人を増やせば、一人あたりの仕事量を減らすことができるので時間的な余裕が生まれ、より良い仕事ができるようになると考えるのでしょう。
しかし、その前に考えないといけないのは、なぜ仕事量が多くなってしまうのかという根本的な問題なのです。
もし、今の仕事のやり方に無駄が無く、本当に必要な仕事ばかりならば、生産性は上がっているはずです。ところが、無駄の多い過去の仕事のやり方にとらわれ、そのまま続けているため仕事量が多くなってしまう。根本的な原因は生産性の低さにある場合が非常に多いのです。
生産性の低さを解決せず、人を増やすとどうなるでしょう。無駄の多い仕事のやり方はそのまま温存されるため、新たに人が増えたことで仕事が細分化されて相互に溝が生まれ、コミュニケーションが複雑になり、結果としてさらに生産性を下げてしまう事態を招くことが考えられます。

(無駄の無い仕事、仕事の生産性を常に考えながら仕事をする必要がある 仕事≠作業)

直言72 時間をかければ必ずしもいい仕事ができるわけではない

時間をかけると、人間は必要以上の仕事を始め、ややもすると本末転倒した仕事が増えていきます。そして、本末転倒であることに誰も気づかないまま、そのやり方が固定化してしまいます。仕事がどんどん増え、やがて仕事量が多くて大変だから人を増やしてほしいといい始めることになります。

(Time is money 時間の大切さと使い方を意識しなくてはいけない)

2008年3月25日
上田 信和

戻る