2008年11月(社内回覧書類より抜粋)

 寒さがまし、北陸特有の鉛色の空が多くなる季節になってきました。現場にて日々の業務に従事している皆様には集中力が散漫になり、安全や施工上の留意点が抜けがちになる嫌な季節となってきています。常に危険を察知しながら、より安全な施工に心掛けてください。それと同時に、自分の健康管理を十二分に行うよう宜しくお願い致します。
 先日、第6回のとやま企業経営未来塾がありました。今回の課題は「各参加企業の“強み”について考える」でした。2ヶ月前に「各参加企業の“弱み”について考える」という課題で行い、その対処法を考え、そして今回はそれを受けて、どのように自社の“強み”を伸ばしていくか、そして経営側と社員との感性は合致しているかを(あらかじめ、社内の数人には当社の“強み”を考えていただき、私自身が考える当社の“強み”を比較)問うことが目的と感じました。皆さんにも考えていただければと思いますが…最終的にそこで出てきた当社の“強み”は下記の3点でした。

①経営基盤の強さ
②特徴的な技術・工法(海洋工事、耐震工事等に代表されるもの)
③真面目で誠実な社風であり社員

今後は、この当社の強みを十分に生かし、伸ばしながら頑張っていかなくてはならないと思います。ただその中で、注意しなくてはならないことも指摘を受けました。

①経営基盤の強さはもろ刃の剣、それによって危機感が薄れる事が最も危惧すべき事である。経営者自らが、現在の業界の状況や社会情勢をふまえ、正しく現状を社員全員に説明する責任がある。

②協力会社との信頼関係は、良い品物を作り上げる時には大切な事であるが、しかし時代が目まぐるしく変化する今、協力会者との関係が良き時代の名残を引きずる事になりがちである。しっかりとした管理(品質・価格)が必要である

 砺波工業㈱の経営者となって、ちょうど2年が経ちます。私自身、毎日多くのヒトと会い、多くの事を学び、そしてそれを経営に結び付けようと我武者羅にすごしてきた2年間でした。時代は混迷を極めております。ある経営者と話をしていた時、一昔前の長期計画は10年が普通だった、しかし今の長期計画は3年が限界、中期計画は1年で、見通しは3ヶ月が限界だと…就任時には考えられなかった外的・内的問題も見えてきました。今こそ社員全員が力を合わせ、どんな逆風が吹き荒れようとも、凛として真っ直ぐに立ち続けていられる企業でありたいと考えています。
『疾風に勁草を知る』ちょうど一年前に皆さんに紹介したこの言葉の意味を強くかみ締めながら頑張らなくてはならない時がいよいよここにきたように感じています。ご理解。ご協力をお願い致します。

講義の中でこんな話もありました。競争が激しくなると、固有の業界に必要な企業は2社だけである。1社は市場の殆どを占め、そしてもう1社は市場の価格を調整する役割であると…当社は今どのような状況か。先ほどの社員から当社の“強み”で『県内で老舗であり、リーディングカンパニーとしての誇りがある』という意見がありました。大変嬉しいことであり、当社の本当の意味での“強み”だと感じました。そんな社員の皆さんと仕事が出来るという感謝の気持ちをもって日々の業務を行っていきたいと思っています。

2008年11月25日
上田 信和

戻る