2009年5月(社内回覧書類より抜粋)

5月に入り比較的過ごしやすい天候が続いています。現業に携わっている皆様には作業がはかどるのではないかと、厳しい中でも良い傾向だと感じております。引き続き、安全で、確かな施工をよろしくお願いします。
各種報道より新型インフルエンザの情報が流れています。会社としては今のところ各人による予防等に頼っている状態ではありますが、体調の管理をしっかりしていただくようよろしくお願いします。
さて、先日より自分自身の能力アップのために、「どんな時代もサバイバルする会社の「社長力」要請講座」(著:小宮一慶:経営コンサル)を読んでみました。参考になる事柄が非常に多く、興味深く読むことができました。折角ですので、皆様に考えて頂きたい箇所を下記に記しましたので一読のほどよろしくお願いします。

「内部志向」よりも「外部志向」

ダメな会社を見分ける方法は実に簡単です。「お客さま志向」が徹底されているかどうかです。このことは、電話一本かけてみれば分かります。
「会議中です」と平気で対応をしている会社、これはダメな会社です。
そのどこが悪いのか?と思った人は「内部志向」にかなり洗脳されているといえます。どこが悪いって、「社内の事情でやっている会議が忙しくて、外からかかってきた電話に出ることができません」と言っているのは、お客さま志向ゼロ、外部志向ゼロです。
供給過剰のこの時代、敏感なお客さまは、そのような鈍感な社員のいる会社とのつき合いを控えます。また、敏感な人は鈍感な人とのつき合いを嫌います。お客さま志向の人や会社は、内部志向の人や会社とのつき合いを控えます。ダメなことをわざわざそのままにしているのを見るのも嫌だからです。
ちなみに、社内の会議なら、会議中であっても外からの電話は取り次いでもらうのが大原則です。でも、どうしても外せない会議や、お客さまとの商談中のときもあるので、そういう場合は「申し訳ありませんが、席を外しています。もしよろしければ御用件を承ります」と答えるように徹底すべきです。

「和気あいあい」よりも「切磋琢磨」

よくありがちな組織の問題は、組織を「和気あいあい」にしようとすることです。組織のチームワークがとれて仲が良いのは悪いことではありませんが、「和気あいあいで頑張ろう」などと言っていると組織はどんどん力が出なくなります。「和気あいあい」を優先すると、もっとも実力のない人に組織のペースを合わせることになるからです。組織はパフォーマンスを出してこそ維持できるものです。
さらに、和気あいあいの組織の欠点は意見が出なくなることです。どうしても他の構成員の顔色を見ることになります。お客さまや組織全体のために建設的な意見であっても「言わないほうが無難」ということで対立を避けようとしがちになるからです。そうやってだんだん、言わなければならないことも言わなくなります。つまり、全体が「内部志向」になってしまうのです。
また、社員の誰かが勉強しようと思った時にも弊害になります。「出る杭は打たれる」的風潮が広がるからです。このような風潮が進むと、お客さま無視となりかねません。内部を重視するあまり、お客さまの声を無視したり、「これを伝えると誰かが困る」と思ってクレームを握りつぶしてしまったりするのです。
「和気あいあい」は実力のない社員やリーダーが好みます。仕事ができなくても(仕事をしなくても)のけ者にされないですむし、その方が楽だからです。みんなが必死で働くような職場では実力の無さが露呈し、居場所がなくなるからです。
みなが足を引っ張り合うのがよい職場だと言っているのではなく、みなが協力することは良いことです。でも、その協力の仕方は「和気あいあい」ではなく「切磋琢磨」、「あの人も頑張っているのだから自分も頑張ろう」という考え方を持つことです。それが正しい社風です。

常に外部志向、お客さま重視の考えをもつ行動に心掛けたいと思います。

2009年5月25日
上田 信和

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