2010年3月(社内回覧書類より抜粋)

寒い雪の季節も終わるとともに、新しく春の息吹を感じることができる季節となってきました。現業にて頑張っている皆さんとともに新年度を前向きに乗り切っていきたいと思っています。
さて、先日より「経営の教科書」(新 将命:あたらし まさみ著)なる本を読みました。著者は早稲田大学卒業後、シェル石油、日本コカ・コーラ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、フィリップス等の企業の社長職を3社、副社長職を1社経験し、現在も住友商事のアドバイザーを務めていらっしゃる方です。多くの企業の経営をされただけあって、いまでは企業のトップに10分ほど話を聞き、社内をざっと見ば、おおよそこの会社が「伸びる」「ちょっと危ない」「かなり危ない」との判断ができるとのこと。仮に、当社においてはどのように判断されるのだろうか…と思いを感じながら読むことができました。その一部を紹介いたしますのでご一読をお願いします。

生き残る会社と勝ち残る会社
人材育成は、この厳しい時期にはむしろチャンスとのこと。
景気の良い時期には、だれもが成果を出せる。しかし、不況は違う、社員の本当の力が試される時期でもあり、鍛えるための絶好の時期ともいえる。故・松下幸之助がいう「好況よし、不況さらによし」という言葉のとおりである。
日本には250万の企業があると言われている。この企業を3つの種類にわけて考える。
1つはつぶれてしまう会社である。1000万円以上の負債を抱えて倒産する企業の年間倒産件数は約16,000社に及ぶという。
2番目が、生き残る会社である。取りあえず、つぶれない会社であり、たいした業績ではないが、とにかく倒産は免れている。これが生き残る会社、英語で言うSurvival企業である。
そして3番目が、勝ち残る会社である。勝ち残る会社の特徴は何か。売り上げが伸び、利益も伸びていている会社である。しかもその伸び率が、自分の会社の属している業界の平均よりも高く、競合会社よりも高い。安易な楽観主義に陥ることもなく、厳しく見ても将来的な右肩上がりが読めている。同時に、お客様から評価・感謝され、喜ばれている。何にもまして働いている社員が幸せを感じ、仕事を通じて自分を磨くことができ、嬉々として仕事をしている。これが勝ち残る会社の共通的な特徴である。

また、筆者によると、世の中のビジネスマンを「情熱」という切り口でながめてみると、大きく5つのタイプに分かれると考えられるとのこと。
① 「自燃型」人間:何かを成し遂げてやるぞ、素晴らしい会社にするぞという志や大望を持ち、誰に言われなくても自ら進んで情熱の火を持続して燃やすタイプ。全ビジネスマンの5~10%の割合。
② 「可燃型」人間:自分からは燃えていないが、誰かがマッチを擦ってくれれば燃えるというタイプ。世の中のビジネスマンに最も多いタイプで70~80%の割合。
③ 「不燃型」人間:自分からは燃えないし、人がマッチを擦っても燃えない。不燃型にも2種類あり、生まれてから一度も燃えたことが無いという確信犯的な不燃型と燃え尽きてしまって灰しか残っていない「灰人」タイプ。
④ 「消火型」人間:人間には、「自燃型」・「可燃型」・「不燃型」の3種類しかいないと思っていたが、「せっかくついた情熱の火を消して回る人がいる」とのこと。これを「消火型」とする。どの会社にも1~2%は潜んでいる。
⑤ 「点火型」人間:「可燃型」人間の心に、情熱の火をともすことのできる人のこと。この“マッチの擦り方”を知っている人のことをいう。割合は5%程度。

前段の「勝ち残る会社」になれるように努力をしていきたいと思っていますし、後段の部分、社員の皆さんにおいても、自分はどのタイプに属しているのか…もう一度自分自身を見直す機会を設けてもらえればいいかと思います。当社には、「不燃型」や「消火型」はいないと確信してはいますが、人間は弱いもの、時として疲労感・疲弊感・閉塞感の中でついつい前向きに頑張れなくなくなることもあります。ある講演会で聞きました。「前向きに歩かないと…後ろ向きだと歩きにくいんですよね」と、常に前向きに頑張っていきましょう。

2010年3月25日
上 田  信 和

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