2010年5月(社内回覧書類より抜粋)

夏めいた日が続くようになり、春からいっきに夏にむかうように感じます。現業で頑張っている皆さんにとっては、割合すごしやすい季節ではないかと思っています。安全に気をつけて日々の業務の遂行をお願いいたします。
また、参議院選挙が近くなり、現政権についてのニュースがやたら多く目に入るようになってきました。我々の建設業は他の業種と比較し、政治と密接な関係をもった業種であることは間違いないと感じています。日本という国のかじ取りはどうあるべきかという本筋の部分は当然のことながら、この地域の中小企業、そして我々の業界をより考えてくれる人・そして政党はどこなのか?真剣に考える事ができる良い機会だと感じています。是非、多くのメディアからの情報を収集するのも良いかもしれませんが、生の声を聞ける機会あるので、地域活動の意味含め積極的に参画をしていってもらいたいと思います。
さて、そうとはいえ、経済状況は依然として厳しいままです。当社においてもこれは変わらないことでありますが…先日、プレジデント(5月17日号:記述・伊丹 敬之)に下記のような記事があり、目が付いたので書き出してみました。

歴史はジグザグにしか進まない。問題は、ジグザグの許容範囲に収めることと、全体としての方向性を誤らないことである。
そのためには、熟慮をしたうえで改革のグランドデザインをトップチームできちんとつくり、そしてそれを共有しなければならない。そして、断行しなくてはならない。使い古された言葉だが、熟慮断行がキーワードだとあらためて思う。そのうえで、改革へのエネルギーを組織の中で沸き立たせるために、現場に、とくに若い人たちに思い切った権限移譲をするべきである。改革の苦労を現実にするのは、現場の人々なのである。その人たちのエネルギーが湧き上がるように配慮を徹底しなければ前向きのエネルギーは生まれてはこない。
その配慮に「危機感の共有」などと叫ばないでほしい。もちろん、危機感は必要だが、それだけでは前向きのエネルギーにはつながらない。よりよい明日をめざせるという夢の共有がどうしても必要なのである。
このように経済的に難しい状況の中で、何が夢かとシニカルに考えては何もすすまない。そんな人に経営改革を語る資格はない。歯の浮くような言葉でもなく、厳しい数値目標だけでもなく、トップの背中に浮き出る「夢」こそ、大きな経営改革にもっとも大切な要件である。

「歴史はジグザグにしか進まない、問題はジグザグの許容範囲に収めることと全体の方向性…」との記述が頭に残りました。社会の景気も・企業の業績もジグザグである。しかしながら良き方向性を目指しながら邁進していかなくてはならないとは思っています。現場の運営や業務の遂行においても、それぞれの立場でジグザグはあるかと思います。そのジグザグをどれだけ自分の許容範囲(想定内)に収め、そして目的(夢)に近寄らせるか。
皆さんも、私も同じです。頑張っていきましょう。

2010年5月25日
上 田  信 和

伊丹 敬之(いたみ ひろゆき、1945年 – )愛知県豊橋市生まれの経営学者。一橋大学名誉教授。2005年紫綬褒章。2003年一橋大学における21世紀COEプログラム「知識・企業・イノベーションのダイナミクス」拠点リーダーに就任。2002年から組織学会会長。中部電力アドバイザリーボード委員、三菱レイヨン経営諮問会議委員、中小企業政策審議会委員、大学設置審議会委員、経済審議会委員、繊維産業審議会委員、産業構造審議会臨時委員、財団法人松下国際財団評議員、社団法人地域経済総合研究所評議員、特定非営利活動法人国際連合世界食糧計画WFP協会顧問、ICT国際競争力懇談会委員、文化庁文化審議会委員等を歴任。

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