2010年7月(社内回覧書類より抜粋)

 梅雨が明けたと思ったら夏真っ盛り、急激な気温の上昇と真夏の日差しに戸惑うばかりです。一年で最も体調維持が難しい季節かと思っています。特に現業に従事している皆さんにおいては、外での仕事時の水分補給や体温チェック等に留意していただきたいと思います。また、熱射病についても十分な注意を要する事は当然ですが、今では多くの便利なグッズもありますし、各現場独自の工夫もあると思います。情報の水平展開により全社あげて安全・安心な現場の維持をお願いいたします。

さて、「仕事で成長したい5%の日本人へ」(著者:今北 純一)という本を読んでみました。筆者曰く、多くのセミナーのコーチをした経験上、「熱いまなざし」を注いでくれる人の比率は決って5%程度であるという法則を発見したとのことです。「熱いまなざし」を注いでくれる人とは、「知識を身につけよう」とか「勉強のため」といった動機ではなく、新しい事に着手したいという能動的な意識で来ている人たちのことである。
また、人間の成長には「MVP」という三大要素が必要とのこと、それはM(ミッション=個人や組織が挑戦すべき目標)、V(ビジョン=ミッションに至る具体的な道筋)、P(パッション=夢や目標に向かって燃やす情熱)であり、こういったものが揃わなければ成長は望めないし、毎日の生活の中で意識し実践することが大切だとも書いています。

下記の文章より、仕事における成長のヒントを、それぞれが見つけていただきたいと思います。

自分の提供する労働の対価として報酬を受け取る行為を「仕事」定義するならば、「人は仕事で成長する」と信じています。
仕事での成長は2種類あり、一つは、文字通り「仕事を遂行する能力の成長」、もう一つは「人間としての総合力の成長」です。
いずれの場合でも「対決」が欠かせません。細かく言えば、仕事を遂行する能力の成長のためには「他人との対決」が、また人間としての総合力の成長のためには「自分自身との対決」が必須であります。
ここでいう「対決」は「対立」ではなくて、「対話」という言葉に置き換えることができるようなものです。仕事を遂行する能力には、プレゼンテーション、交渉力、問題解決力などがあるが、これらのテクニックをいくら習得したところで、実践で活用し第三者による審査を経なければ本物の能力にはなりません。ディベートの場で自分自身の考えをきっちり通せるか、不条理な論理に反駁できるか、不当な挑発に対してユーモアをもって対応できるか、相手から無視されないだけの存在感をアピールすることができるか等々、ビジネスにおいてはこのような「他人との対決」の場面に事欠かないのが事実です。
「自分自身との対決」の例にもいろいろあります。
会場が満杯の場での講演者に対しての質問、これは「自分の中の羞恥心との対決」である。仕事が思うようにいかない状況でいかにしてモチベーションを持ち続けるか、これは「自分の中のフラストレーションとの対決」である。不必要な事を最小限に食い止めたいと努力する。これは「自分の中の無駄との対決」」です。
いずれにしても、「自分以外の人間との対決」と「自分自身との対決」を経て、人は仕事を通じて成長をしていきます。そして、成長した結果として得たものが、さらなる「長の糧」となることで「人は仕事で成長する」というプロセスがずっと成長を止めない限り続いていきます。

仕事の中で、「他人との対決」と「自分自身との対決」を少しだけ意識しながら行動をしてみましょう。何か新しい自分の成長を見つけることができるかもしれません。

2010年7月23日
上 田  信 和

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