2010年12月(社内回覧書類より抜粋)

一年の締めくくりをする季節となりました。皆さんにとって2010年はどのような年だったでしょうか。私自身、業界全体がさらされている厳しい現実に直面しながらも多くの新しい出会いとともに感動や喜びも得られました。また、地元でも新たな役割もいただき、常に前向きに成長をしていかないといけない、そんな気付きも得ることができる一年になった気がしています。
年末年始と更に自分自身をふりかえり、そして新しい年に向かって、新たな目標を立て、それを達成できるよう覚悟していきたいと思います。皆さんも自分自身の新たな目標をもった一年に臨んでいただきたいと思います。
「経営は「実行」」という著書を読みました。その冒頭にこのような文章がのっていました。

今後の道
「おもしろい時代に生きますように」という、皮肉のこめられた中国の古い警句は、まさに今の時代にこそあてはまる。現在、世界を悩ませている経済・金融の問題から、いつ、どのよう形で脱するのかはよくわからない。世界中の政府や企業のリーダーは、海図のない航海をしており、それぞれが正しい航路を見つけようとしている。それは困難な作業だが、不可能なことではない。変わりゆく世界で自社にとって正しい解を見つけたリーダーは、それによって成果を刈り取る。
今後の良きリーダーを特徴づける資質はいくつかある。第一に、自分を取り巻く世界について圧倒的な知識を持っている。第二に、学ぶことをやめない。第三に驚くほどの柔軟性があり、状況が変化すれば素早く適応する。だが、何よりも大切なのは、自分についてくる者たちが元気になれるように前向きに指導し、自信を与えるという資質だろう。

良きリーダーとして…三つの資質が書いてあります。私自身は、経営者としてこの文章を読み資質を理解しました。ただ、皆さんもそれぞれの立場においてこの文章を読み、それぞれの立場での資質を理解していただきたいと思い、この文章を載せました。前文の「自分を取り巻く世界」はそれぞれの「職場・現場」と置き換えてもらえれば理解できるかと思います。
そして、以下のような文章も書かれていましたので、一読をお願いします。

常に現実を直視するよう…

現実を直視することが実行(実行=物事を遂行すること)する基本であるが、多くの企業(人)には現実を避けようとしたり、隠そうとしたりする従業員があふれている。なぜなのか。
現実を直視すると具合が悪いからだ。パンドラの箱を開けたいとは思わない。ミスを犯せば隠したいし、わからないと認めるより、時間を稼いで何とか解決策を見つけようとするものだ。対立は避けたい。悪いニュースを伝えて怒鳴られたいとは思わないし、上司の権威に楯ついて厄介者扱いもされたくない。
現実と向かい合うのは愉快なことではない。だが、現実を直視するよう求めねばならない。

現実を直視するとは、つねに自社を現実的に見ること、それを他社と比べることだ。世界中の企業でいま何が起こっているのかつねに注目し、自社の進歩の度合を内側からではなく外側から測るのだ。「去年に比べて進歩したか」ではなく、「他社とくらべてどうか、他社はもっと進歩したのかどうか」を問う。これが、自社を現実的に見る方法である。

明確な目標を設定し、優先順位をはっきりさせる
実力のある経営者(現場所長・現場監督)は、課題が多くある場合は、優先課題をごく少数に絞り込みハッキリさせることが必要である。それは、
① 優先順位を絞り込むことによって限られた資源(能力)から最高の結果を引き出せる。
② 優先順位をハッキリさせることによって部下(作業員、協力会社)がうまく実行できる。
よって経営者(現場所長・現場監督)は、ごく少数の明確で現実的な目標を掲げ、優先順位を絞り込むべきである。

経営的に多くの課題にぶつかることがあります。それを如何に克服していくか…皆さんも、業務の中で多くの課題に直面するでしょう。現実を直視し、最高の結果が得られるように頑張っていただくことを期待しています。

2010年12月24日
上 田  信 和

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