2011年5月(社内回覧書類より抜粋)

5月の連休も終わり、春から夏の気配を感じられる季節となりました。梅雨前のこの時期、日によっては暑い日やジメジメした日もあると思いますが、体調管理をしっかりして、今年も来るであろう暑い夏を前に、しっかりとした準備をして安全な業務に心掛けるようお願いいたします。
さて、東日本における震災や、福島第一原発の影響の長期化が心配されます。それによる景気の動向は未だ読めないのも事実です。当社においても、時代取り残されないよう、速やかに反応できるよう、より高いアンテナを張り巡らせ、この全国的な危機を乗り切らなければならなりません。こんな時だからこそ、社内の進化と強固な企業、強固な組織が必要なのです。
そのような中、「ドラッカーの教えどおり、経営してきました」(酒巻 久:キャノン電子社長)を読みました。以前から紹介してきたドラッカー、企業への取組として具体的な取組み方が書かれていて興味深く読むことができました。特に気になった部分を紹介いたします。

勝ち残る企業になるためには、利益を生み出す企業でなくてはならない。
なぜ利益が出ないのか → 会社に「ムダ」がたまっているから… → ムダを削減する方法

ムダを削減する効率的な方法①(時代にあわなくなった古いものを体系的に捨てていく)
「成果をあげるための秘訣を一つだけ挙げるならば、それは集中である」そして「集中のための第一の原則は、生産的でなくなった過去のものを捨てることである。そのためには自らの仕事と部下の仕事を定期的に見直し、『まだ行っていなかったとして、いまこれに手をつけるか』を問うことである。答えが無条件のイエスでないかぎり、やめるか大幅に減少すべきである」「古いものの計画的な廃棄こそ、新しいものを強力に進める唯一の方法である」
明日をつくるには昨日を捨てなくてはいけない時もある。

ムダを削減する効率的な方法②(時間のムダを一掃する)
「する必要のまったくない仕事、何の成果も生まない時間の浪費である仕事を見つけ捨てることである。すべての仕事について、まったくしなかったならば何が起こるかを考える。何も起こらないが答えであるならば、その仕事は直ちにやめるべきである」「2週間やめて問題がなければその仕事はいらない」

そして、人事や組織においては・・・
「優れた人事は人の強みを生かす。弱みからは何も生まれない。結果を生むには利用できるかぎりの強み、すなわち同僚の強み、上司の強み、自らの強みを動員しなければならない」
「有能な人びとは強みのうえに仕事を築き上げる。こうした人びとの設問は、“自分のできないことは何か”または“彼のできないことはどんなことか”ということではなく、“自分にできることは何か、そして彼のできることは何か”という問題である」

「変化すること」の重要性も言われている。同じ仕事を長くやっていると、どうしてもマンネリになる。昨日と同じ今日の繰り返しでは刺激も少なく、モチベーションも下がってくる。自分の技術や知識が陳腐化することへの危機感も薄れてくる。こうなると仕事の生産性も落ちるし、業務の効率化への意識も希薄になって、知らず知らずのうちにムダもたまりやすくなる。「マンネリ」は仕事の大敵なのである。
移転や転勤も頻繁に行うことによって、いろんな経験をすれば、必ず視野が広くなり、物事を多目的に考えられるようになる。マンネリによるムダの蓄積も防ぐことができる。変化を与える意味は、まさにその点にある。
ドラッカーは心地よくなったら変化を求めよという。
「日常化した毎日が心地よくなったときこそ」 あるいは何の刺激もない退屈な毎日になったときこそ それまでとは「違ったことを行うよう自らを駆り立てる必要がある」ということである。
そういう意味では、何かを変えて成果が出るかどうかは二の次でかまわない。

上記の多くは経営者が為すべきことであると認識はしていますが、社員の皆さんの自主的で積極的な行動が伴ってなくてはならないと思っています。自分の事に常におきかえて考えた行動をお願いいたします。

2011年5月25日
上 田  信 和

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