2012年7月(社内回覧書類より抜粋)

蒸し暑い日が続いています。また、予期せぬ集中豪雨があったりと、体調管理とともに現場の運営にも天候を見ながらの日が続いているのではないかと思っています。部署ごとに熱中症対策の勉強会も開いていただきました。それらの内容も十二分に活かしながら、あらためて、自己の健康管理と現場の管理を、しっかりと行っていただきたいと思います。

 先日、仕事の流れで、ワインの好きな方と一緒に夜の一時を過ごす事が出来ました。仕事の話は少しだけで、その後いろいろな話をしました。そんなおりに、お互いに組織のトップでもあり、組織のあり方や理想の会社像について話がおよびました。その際に、非常に共感出来る考え方を紹介頂いたので、皆さんにも紹介したいと思います。
その方は、テーブルのワイングラスにワインを半分ぐらい注ぎながら、そのグラスをわざわざ机の端に置いてこう話されました。

『ここにワインの入ったグラスがあります。そのグラスは、このように机の端にあり、今にも落ちそうです。ところが、そのグラスの持ち主は話が盛り上がっていて、まったく落ちそうな状況に気がついていません。そのうち、話はさらに盛り上がり、その内に、本人が机に身を乗り出して話を聞きに入った瞬間に、彼の肘がぶつかりグラスがワインもろとも床に落ち、グラスは割れ、ワインは床を濡らしてしまいました。そこで、周りに一緒にいた人はどう反応すると思う?』と質問されました。
 私は、『「何してるの?落ちると思ってたよ!」とか「あれ、やっぱり落ちちゃったか?」とか…また、「落ちそうだったから注意しようと思ってたんだ」とか、いろいろな事を言う人がいると思いますよ。』と言うと
『それでも、グラスのワインは落ちてしまったんだよね…本来であれば、落ちる前に「落ちそうだよ!」とか「気をつけてね!」とか先に言うべきなんだよね。組織も本来そうなっているべきなのに、そうなっていないと大変なんだよね!』と言ってくれました。

ここで、最終的に誰がこの結果を招いたか?と問うのは愚問です。確かにグラスを置いた人であったり、肘をぶつけた人であったりと判断する人もいるとは思います…ただ、そんな単純な話ではない事は、皆さんにもわかると思います。
誰が責任をとろうが、事故やトラブルが起きてしまえばどうしようありません。起きてから注意しても全く意味はありません。特に、そのきっかけが人であれば、個々の人が常に100%の力と能力が発揮されない限り、必ず事故やトラブルが生じるような組織になります。気付いた人から確実に気配りし、それが誰の仕事であろうと、注意、あるいは声をかける組織ではないと組織とは言えないし、そうなって始めて『組織』として機能し始めるということだと思います。
これは、現場・事務職ともに言える事です。全員が組織の一員として機能し、組織全体がより高い次元の組織になるよう頑張りましょう。

2012年7月25日
上田  信和

人の作る組織にとって、言われたことしか実行しない人は役に立たないどころか、組織の命取りになる。こういうタイプの人が増えれば増えるほど、その組織は発展していく力を失っていく。(ジーコ:元ブラジルの元サッカー代表)

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