2012年8月(社内回覧書類より抜粋)

 盆休みも終わり、少しずつ蒸し暑い日々からも解放されつつあります。
十分な休日は取れたでしょうか?お客様の関係で、なかなか暦通りの休みも取れなかった人、業務が輻輳しており気忙しく過ごした人もいるとは思います。機会を見つけて十分な休養がとれる様に心掛けていただければと思います。
  以前、当社は、生き残る企業ではなく、勝ち残る企業にならなくてはいけないという思いを、毎月書いているこの文章の中にも書きましたが、そんな事を考えているおり、書店にて「勝ち残る経営の本質」(新 将命:あたらし まさみ)という本に出会う事が出来ました。当社の決算も9月末です。気持ちを改めるという意味もこめて読んでみました。

「勝ち残る企業」の条件として1982年に既に『エクセレントカンパニー』という書物に書かれていたそうです。その時に書かれていた条件とは下記の8つの条件でした。

① 行動を重視する気風
② 顧客密着の営業方針
③ 自主性と企業家精神を持つ多数の社員
④ 人間を考慮した上での生産性向上
⑤ 価値観に基づいた実践
⑥ 本業を基軸とした発展
⑦ 単純な組織・小さな本社
⑧ 厳格でしかも寛容な従業員管理

 それぞれの項目とも納得のいく条件である事は確かです。しかしながら、当時の著書に書かれていた『エクセレントカンパニー』としてあげられていた43社のうち14社は数年の後には何らかの、つまづきを見せているとの事でした。要は、著書が書かれた1982年時点では、まさしく『エクセレントカンパニー』の代表的な会社であったのだろうが、わずか数年でそのような企業も陳腐化してしまったという事です。自由競争の中で『エクセレントカンパニー』を維持する事が何倍も難しいという事を言っているのです。
まさに「守成は創業より難し」ということのようです。 当社においても、常にこれは問われている事かと思っています。企業は常に筋肉質な体であり、四肢の先端まで神経の通った状態でなくてはならないと思っています。そのためにも、常に冷静に環境に適した形で、より正確な判断のもとで経営していかなくてはならないとも思っています。 企業を守るため、そして、企業で働く皆さん社員のため、そして当社に仕事を頂けるお客様のためにも…それは、ある時は、過酷な道を歩まなければならないかもしれませんし、ある意味、冷酷な決断をしなくてはいけないかもしれません。 あらためて、覚悟をもった企業運営をしなければならないとの思いを強くしました。
 筆者は著書の中で、アメリカの作家が言った「男は強くなくては生きていけない。優しくなくては生きていく資格がない」という言葉をもじって、「会社は儲けなければ生きていけない、役に立たなければ生きている資格がない」とも言っています。「役に立つ」とは、誰に対してかというと、当然、ステークホルダーである、株主や債権者・取引先・顧客・地域住民・地域社会をも含めてです。 役に立つ企業として、一致団結、頑張っていきましょう。

2012年8月24日
上田 信和

※ 守成:創業者のあとを受け継いで、その事業を固め守る

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