2013年4月(社内回覧書類より抜粋)

北陸地域、特に当社の発祥である砺波市にとっては一番良い季節がやってきました。今年も4月23日(火)から5月6日(月・祝)の間、毎年恒例のチューリップフェアーが開催されます。ゴールデンウィーク期間中、北陸で最も集客力のあるイベントでもあり、60年以上の歴史もあります。500品種以上、約20万本のチューリップを一人でも多くの方々に見てもらえれば地域の活性化にもなるのかと思います。
とある冊子に昭和7年に発表された「チューリップ」の歌の歌詞についてこのように書かれていました。
?さいた さいた チューリップの花が ならんだ ならんだ 赤 白 黄色 どの花見ても きれいだな ?
文部省の唱歌としてつくられたこの歌ですが、その思いは、『どの花見ても…』の部分は『一人一人には必ず良いところがある』という思いを込めてつくられた歌詞だそうです。どの世でも、どの時代でも、それぞれの個性や特徴を伸ばそうという考え方は大切に考えられていたのだなと感じました。
さて、先日、京都大学大学院教授で安倍政権のもと、内閣官房参与に就任されている藤井聡先生の講演を聞くことが出来ました。講演を聴くのは4回目、いずれも建設業界内での講演会でした。今回は銀行の講演会ということとで、殆どの方が建設業以外、そして演題も「国土強靭化について」ということでした。何より、われわれ建設業界の代弁者である先生は、いつもながらの関西弁の軽妙な語り口と、切れ味鋭く、データを用いた内容に思わずうなずく場面が多々ありました。
講演時にこんなデータが用いられました。
明治9年(1876年・139年前)における人口ベスト15の都市は、函館、仙台、東京、横浜、名古屋、富山(12位)、金沢(5位)、京都、大阪、和歌山、神戸、徳島、広島、熊本、鹿児島でした。
平成22年の大都市(政令指定都市および東京)は、札幌、函館、仙台、さいたま、千葉、相模原、川崎、東京、横浜、静岡、浜松、名古屋、新潟、富山、金沢、京都、大阪、和歌山、堺、神戸、徳島、岡山、広島、北九州、福岡、熊本、鹿児島です。(二重取消線は、15以外になった都市)
新たに加わった政令指定都市のほとんど(札幌以外)は、新幹線が通った地方都市です。逆に、ベスト15都市から外れた都市は、新幹線が通らなかった地方都市です。新幹線による交通革命は、地方都市の人口を増やし、活性化させることはハッキリしています。以上を考えた上で、日本をもう一段活性化していくために必要なインフラは、
①青森?函館?札幌?旭川を中心とした圏域。
②新潟?富山?金沢を中心とした圏域。
③山陰(島根、鳥取)?山陽?四国を結ぶ圏域。
④九州全域。
になります。これらの圏域に新幹線を引くのにかかる予算は5兆円~7兆円。ちなみに、東京大阪間のリニア新幹線を引くのにかかる予算(約9兆円強)と比べても割安であるのは確かなようです。

公共工事により日本国の復権と国土の強靭化・災害時における国土の対応力を考えた場合、やはり、地方都市も含めた活性化が必要で、太平洋ベルト地帯を中心とするような東京集中は出来る限りさける必要があると思います。北陸新幹線が開通するまで後2年弱、すぐにでも東海道新幹線の代替機能を有する形になることを願います。
冒頭に書いた「チューリップ」の歌の歌詞同様、各地域、各都市それぞれには必ず良いところがある筈です。それぞれの地域が、チューリップのそれぞれの品種同様、赤 白 黄色の光り輝く都市になれば…そして、チューリップフェアーの花畑同様、素晴しい日本になればと願っています。

2013年4月25日
上田 信和

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