2013年5月(社内回覧書類より抜粋)

 連休も終わり、穏やかな天候が続いております。今年の連休は、天気の巡り合わせも良かったのもあって、チューリップフェアーの入場者数も数年ぶりに30万人を超え、31万人に到達したとのことです。また、今年は富山と台湾の直行便も影響したようで、海外からの観光客も多く来場していただいていたようです。地域の活性化という面では大変嬉しい事です。
アベノミクス効果とは言いませんが、少なからず円安・株高の影響があるのは確かでしょうし、何となくの景気の浮揚感が、これからの実質的な景気の上昇を思わせるようで好感が持てます。現業にて頑張っている皆さんには日々、現場における安全や工程の管理に謀殺されているとは思いますが、アゲンストであった流れもフォローになりつつあるということを理解・期待していただき、そのチャンスを掴むためにも現場にての効率的で安全な運営・管理をお願いしたいと思います。
 さて、日々、業界紙を読んでいますと、政権交代が行われて以降、我々の業種が適正に評価・認識されてきているという期待を持たせるような記事が多く掲載されている気がしています。我々の業種は、グローバル化、規制緩和というキーワードと共に市場経済主義に走りはじめた小泉政権のもと、あらゆるメディアを通じて、公共工事は悪、ゼネコンは悪、というような扱いを受けてきました。それ以後、公共工事への投資額が急激に減り、それが、維持・修繕の予算の削減や、安全に対する予算の削減等に影響してきました。それが、近年における笹子トンネルの天井崩落事故などに代表される事故の原因にもなりつつあります。
 先日、国会でも前年度の補正予算を含めた予算が成立をみました。数字上は対前年比15.3%増と言われ、一部のマスメディア等により「バラマキ」とも揶揄されてはいますが、実質は対前年比0.3%という微増です。「公共工事における設計労務単価の大幅な引き上げ」や「低入札調査基準価格の引き上げ」等の実質的な動きも行われているのも事実です。ここは、アベノミクスにおける「実需」を確実なものにするために、無理な競争は避け、「適正な価格」による受注を確実に行い、確実な「利益」の計上をし、適正な価格で外注を行う。これが一環の流れとして行われて始めてアベノミクスの効果が出るものだと考えます。我々も、この業界がどうあるべきかを考えた行動をすべきかと思います。
 また、このような政治の流れの変化には、我々(業界)の声を中央に届ける代弁者が必要です。その意味でも、その代弁者がより強く発言出来る場を我々が提供するべきであると思います。
 「建設業は適正利益を確保しながら人と技術を大事にする産業」
「積算価格100のものをせめて95で契約できるようにしたい、さらに、積算価格100を100で、品質が良く価値のあるものであれば100を超えても…」と真剣に考えて政治的な活動を行っている方がいらっしゃいます。そのような方がいらっしゃる限りは、我々の業種はまだまだ頑張らなくてはならないし、全員がこのような方々を支援していくべきかと思っております。
先日5月20日付けにて、コーセル㈱の創設者でもあり、現在は相談役として活躍をされた飴久晴相談役が退任されると聞き、同時に、今までの経営の考え方と会社の運営について著書「ロバスト経営」も出版されましたので、ご挨拶にいってまいりました。私自身にとっても経営の師であり、偉大な経営者として尊敬もしておりました。その折、著書を持っていきサインを頂きました。
そこには「朝のこない夜はありません」との添え書きがありました。皆さんと一緒に頑張っていきましょう。朝はもうすぐです。

2013年5月24日
上田 信和

※ 国土交通省は、低入札調査基準価格の一般管理費率を従来の30%から55%へ引き上げることを決めました。5月16日以降の入札公告工事が対象です。これにより、調査基準価格も平均で予定価格の88%程度と2%上がる見込みです。

ロバスト経営:「ロバスト;robust」とは技術の専門用語で「外部環境の変化に、強靭にしなやかに即応する力、内的仕組み」です。いわゆる「絶対に潰れないしぶとい会社経営」とのこと。

戻る