2013年9月(社内回覧書類より抜粋)

 少しずつ秋めいてきました。各現場、各部署において忙しく対応をしていただいている事と思います。今期ももう少しとなりました。安全に気を付けて業務推進をお願い致します。
 先日より、2020年のオリンピックが東京で開催される事が決まりました。昨年末の政権交代より景気が良くなってきた感があったのですが、更にそれを加速させるような出来事であったかと思います。その中でも招致活動のチームワークが印象に残りました。各個々人が全力を出し、全員で勝ち取った東京オリンピックです。今から楽しみですし、これにより更に景気の好況感がでるよう念願しております。
 企業内でのチームワークと言えば…9月11日に、“カネボウの美白化粧品問題”の調査報告が、弁護士によって報告され、マスメディアに大きく報道されました。この問題の経緯は以下のとおりです。

2011年10月、顧客から「顔に白抜け」との申しで発生
2012年 2月、社員3人に白斑の症状が出たが、病気だとして対応せず
2012年 9月、医師が「化粧品がトリガー(引き金)になった可能性」を指摘
2013年 5月、別の医師からの指摘を受け、担当者が問題を経営陣に報告
2013年 7月、商品の自主回収を発表
(2013年9月

1日時点、9,959人に白斑の症状が確認。被害者数はさらに増える見込み)
調査した弁護士の会見では「意図的隠蔽(いんぺい)があったとまでは言えないが、都合の悪いことは突っ込まず無視しようという態度が表れている。(白斑は病気だとの)固定観念と、事なかれ主義で(問題が)放置されていた」と、10ヶ月近くも問題を放置し被害拡大を招いたカネボウの対応を厳しく批判しました。
この会見を受け、カネボウ化粧品の夏坂社長は会見で、「カネボウは社員の専門性を高めるため、入社時に配属された部署からほとんど異動がない人事制度をとってきた。そのため、施策の判断や実行において各部門の独立性が高まる一方、部門間での情報共有や業務連携が進まない“たこつぼ化”が進行した。今回の白斑問題に関しても、各部門が互いにフィードバックしたり、分析し合ったりという機能が極めて脆弱な、当社の組織体制に問題があった」とコメントしました。
同社は2009年から、親会社の花王と品質管理の物差しを揃える目的で、花王が独自に開発した顧客の声や情報を即座に共有できるシステム「エコーシステム」を導入したが、運用面では統一化が徹底されませんでした。花王ではクレーム・相談内容の同システムへの全件入力が義務づけられているが、カネボウでは窓口担当者、店頭美容部員などが直接応対し、その場で解決したものについては入力を省略している場合もあったそうです。


今回の問題では「白班は病気であり、化粧品とは無関係」という同社の研究開発側の「思い込み」もあり、入力されていた情報についても、より重要な情報として扱われる「身体(肌)トラブル」ではなく、重要度の低い「問い合わせ」として登録されていたケースもあったそうです。


それでも、カネボウ社内が“たこつぼ化”せず社内の風通しがよければ、顧客情報管理システムのあるなしにかかわらず問題を認識された可能性もあったでしょうが、結局のところ部門間で情報が寸断され、連携も悪い“企業風土”によって、経営陣が情報を把握するのにはかなりの時間を要してしまったようです。
各部の位置づけは、専門的分野に関しては独立しているべきではあろうが、各部で解決できる事には限界があり、企業や組織として対応すべき事や、各部の共同によって対応すべき事も出てきます。それこそチームワーク。柔軟な対応をするためにも、平素からの各部門間の情報の共有化が必要とされるでしょうし、各個々人の交流や移動も含めた対応が必要かと思います。各部門が“たこつぼ化”しないような対応を積極的に行っていくべきかと考えます。

2013年9月25日
上田 信和

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