2014年9月(社内回覧書類より抜粋)

 9月も終わりに近くなり、会社の期末も無事迎える事が出来るようになりました。いろいろありましたが、皆さんの頑張りで70周年に恥ずかしくない結果になったと思っています。10月に入ると新しい72期がスタートします。72期も、安全に気を付けてより良い結果を出せるように全員で頑張っていきましょう。
 さて、「プレジデント」誌に『「人手不足よりも深刻な 人材不足の危機」このままでは「人材倒産」に陥りかねない。』こんなコラムが掲載されていました。
世間では「人手不足」が深刻化されていると言われてはいるが、実は人手(労働力としての)はある程度足りてはいるのだが、懸念されているのは単なる「人手(人員)不足」ではなくて「人材不足」の危機であるのではないかという事を問題定義したコラムの内容でした。

「人材不足」とは単に人が足りないという数的不足だけを意味するのではなく、
必要な場面で必要なスキルとモチベーションを備えた人材を確保出来ないという質の問題であり、「人材不足」は企業の成長を妨げ、ひいては事業運営そのものに大きな影響を与える。実際、バブル崩壊後から約25年、わが国の経営と人事管理のあり方は大きく変化し、企業の人材確保能力を毀損してきた。その変化を何点かあげてみる。
まず、第1は人件費削減に依存した経営を行なってきた事が上げられる。正社員をパートタイマーや派遣労働者のような人件費が安く、簡易に数的雇用をしやすい労働者を中心に生産を行なうことによる経営である。企業はそれによって他社とのコストダウン競争に対抗してきたが、能力と意欲が高く、重要な仕事を任せられる人材の数が減ったという事である。単純な作業はパートタイマーや派遣労働者に任せ、残った正社員については仕事が拡大され、これまでよりも多くの成果を期待されることとなる。
第2に、企業内の育成環境の悪化である。多くの企業の人材育成の基本は昔から現場である。仕事の遂行を通じて仕事を覚える。それが基本である。だが、このような現場育成は体系づけられてものではなく、現場の状態や現場の上司に大きく依存する分が多い。言い換えると、現場の状況が人の育成を可能にしない状態では、現場での育成は機能しないのである。しかし、ここしばらく企業の現場は進捗管理が厳しくなり、現場の人員構成はいびつになり、人材、特に若手の育成に時間と労力をかける余裕が無くなってきている。
第3には、賃金についての考え方である。人材確保の最後の手段はやはり賃金であり、人は賃金の高い仕事を求めて移動(異動)する。その結果、高い賃金を払った企業はより良い人材を確保出来る。だが、残念なことに現在起こっている「人材不足」はそれが賃金の上昇を(今のところ)伴っていないと言っても良い。
他にも人材面に限らず、経営基盤が短期的であったり、効率化ばかりを追い求めたりしてきており、人材育成や人材確保という機能が持つ必要性と噛み合なくなってきているのも言えるのかもしれない。

「人材」をよく例えて、「人財」「人在」「人罪」などと比喩される事もありますが、まさしくそれに通じる事だとも言えます。「人財」>「人材」>「人在」>「人罪」自分自身、会社を運営するにあたりよく考えていかなくてはならないと感じました。

2014年9月26日
上田 信和

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