2015年2月(社内回覧書類より抜粋)

いよいよ3月14日に北陸新幹線が運行し始めます。富山県民としても嬉しいのですが、工事に際し、多くの工区や新高岡駅の駅舎工事等の建築工事も含めて携われてきた
だけに嬉しさもひとしおです。
富山県にとっても、北陸地域にとっても100年に一度あるかないかという記念すべき出来事ですし、地域の発展に長く寄与することを祈りたいと思います。

先日、青森県の人と話をする機会があり、その際に「羨ましい」と言われました。
青森県にも東北新幹線が開通しています。開通したのは2010年の12月、その後3ヶ月後には東日本大震災が起き、春からの集客を期待したキャンペーンが自粛ムードとなり準備していたことが充分に出来なかったそうです。

きっちりと、キャンペーンが全国に拡大しているのはありがたいことです。
それに先んじた形で、高岡・砺波と南砺のスマートインターチェンジも開通します。
交通の要所ともなる富山県西部の新しい変化が楽しみです。

先日、ある講演会で「労働」について深く考えさせられる話を聞きました。

無料の情報誌「R-25」の記事で「ロボットは敵か味方か?」という特集が組まれたそうです。

高性能化したロボットが人間の仕事の代わりをすることで、人間の雇用が急速に奪われる予想がされているということだそうで、オックスフォード大学の研究においては、今後数十年で自動化されるロボットによって、アメリカの雇用の47%が人間からロボットに取って代わられるリスクがあるそうです。

実際、昨年、ソフトバンクから「pepper」という人間型のロボットが20万円弱(本体のみ)という驚くような価格で販売されるようになりました。

日本のメガバンクはIBMの人工知能を採用しコールセンター業務で稼働させると発表されているし、これに各メガバンクも追従しているようです。

アメリカの弁護士事務所では人工知能によって裁判の証拠を仕分ける作業を行っているそうです。これまではロボットに代行可能なのは単純作業だけであると言われていたが、ホワイトカラーの仕事もしてしまう時代が来ています。

昨年末からはディズニーの映画でも感情を持ったケアロボット「ベイマックス」が好調に上映されていましたが、映画のような世界が近い未来には訪れることになるのでしょうか…

ロボットを導入して効率化とコスト競争力を高め、その補助として人間を充てる。
日本においては、少子高齢化によって労働力が減少する中、ロボット化こそ低コストで質の高い製品を生み出し続ける鍵になるであろうと締めくくられていました。

では、労働とはどういうことでしょうか。
宗教や国民性により違いはあるとは思いますが、社会の機能性や効率性を高める役割が労働であると思います。

「労働」という言葉は西欧では「LABOR」、聖書では「苦役」を意味するそうです。
「エデンの園で、労働する必要のない世界にいた人間が、罪を犯したためにそこから出て行かなくてはならなくなり、人間は現世で働いて罪を償わなければならなくなった。」とのことです。
欧米では仕事に対して償いや罪といった暗い意識がつきまとうようです。

それは、社会主義国家でも同様で、旧ソビエト連邦でもレーニンは「ソビエト連盟においては、労働は、『働かざる者は食うべからず』の原則によって、労働能力のあるすべての市民の義務であり、名誉である。」と述べています。

それでは、人は食べるためにだけ労働をしているのでしょうか?欧米に比べ、日本は古来より働くことに「喜び」や「生きがいを」得ることができる人種であると言われています。労働によって生きる目的を充足させる事ができるのも確かなことだと思います。それが、近年においては、欧米的資本主義によって失われていった気がします。

また、正社員・終身雇用・年功序列等の言葉はグローバル化によっても失われていきました。

本当にそれがよかったことなのか?人間の労働がロボットに取られてしまう今、労働に対する意義、日本文化として確立していた「働くことは生きがい」との考え方が問われている気がします。

2015年2月25日
上田 信和

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