2015年12月(社内回覧書類より抜粋)
師走に入り、例年のように、年末の挨拶回りをしていました。
いよいよ今年も終わりかと思いながら、簡単に今年を振り返ってみると、
春先から北陸新幹線の開業や、小矢部市のアウトレット・砺波市のイオンモール、
そして射水市のコストコ等の大型ショッピングセンターの開業と、
なんとなく華やかな話題がたくさんあったような気がしました。
また、今年の漢字は「安」とのこと、
「安保」や「安倍晋三総理」というイメージが強いらしいですが、
「安らぎ」とか「安泰」というふうに個人的には思いたいなと感じました。
皆さんにとってはどうだったでしょうか。
仕事においては皆さんの頑張りもあり会社にとっても良い一年となリました。
ありがとうございました。
来年はというと果たしてどうなるのでしょうか。
公共工事への予算が減少していることや、
景気の動向が不安定な感も若干心配な面もありますが、
来年も全社一丸となり、積極的に頑張リ、今年同様、良い一年にしていきたいと思っています。
さて、キャノンの子会社のキャノン電子の社長、
酒巻久氏の「見抜く力」という著書の中に、
「社会的手抜き」と「社会的促進」という2つの言葉が出ていましたので紹介します。
まず「社会的手抜き」に関しては
ドイツの心理学者が100年ほど前に提唱した言葉だそうです。
この「社会的手抜き」とは、集団で共同作業をする時には人数の増加に伴い、
一人一人が徐々に手抜きをしてしまうという現象のことです。
例として、綱引きによる実験があげられています。
はじめに一人で綱を引っ張らせると、当然100%の力で引っ張ります。
ところが人数が増えれば増えるほど、一人一人の引っ張る力は低下していき、
引っ張る人が8人になった時には、一人の人が出す力は最初の力の49%しか
出ていなかったという実験の結果が出たそうです。
これを会社に例えれば、工場内で熟練の作業者と、
作業の遅い人を同じラインで仕事をすると、知らず知らずのうちに、
全員が作業が遅い人に合わせて仕事をしてしまう。
そうならないためにも、
同じレベルの作業者でラインを構成するよう人選しなくてはならないし、
生産性が落ちている時は、人数を減らした方が、
かえって生産性が上がることもあるそうです。
また、「社会的促進」に関しては、
アメリカの心理学者によって提唱された言葉です。
この「社会的促進」とは、
他者の存在によって、個人の作業が肯定的な影響を受ける現象のことで、
スポーツ選手や歌手は観客がたくさんいた方がより良いパフォーマンスが行えるし、
マラソン選手も一人で走るよりも、たくさんで走った方が良い結果を出す。
「社会的手抜き」と違い、
より多くの人の目が個人の能力を限界まで引き出すようになる現象です。
会社においても、このような現象を利用する事ができるようで、
営業等の部署の場合が当てはまるそうです。
大勢の営業部員がいる会社では、営業の部員はひとつのフロアに集めて、
座席も密着させるレイアウトにすることによって、お互いに意識し合い、
パフォーマンスが上がることが多いようです。
このように、職場は、その構成している人員や個性、
そして仕事の内容や、その時々の状況に応じて人員配置や、
オフィスや工場のレイアウトまで考えていかなくては
個々人やグループとしての最高のパフォーマンスを継続して発揮し続けていくことは
無理なのかもしれません。
すべての企業や、すべての組織について、この現象が当てはまるとは思いませんが、
あまり成果が上がらない部署があれば、人数を減らして
少数精鋭にして緊張感を出し成果が上がるようにする必要がある場合もあるだろうし、
場合によってはオフィスのレイアウトを密接させたり、
少し距離を離したりしながら、仕事の種類に応じて、
より成果の上がる職場環境を作っていく必要があるのも事実だと思います。
個人のパフォーマンスを最高に、
そして最大のモチベーションを持って仕事が行える職場環境を
お互いに冷静になって考えてみなくてはならないような気がします。
2015年12月25日
上田 信和