2016年1月(社内回覧書類より抜粋)

新しい年が始まりました。

年末年始には全国的に雪がほとんど無く、大変過ごしやすい天候でした。

県内でも日中の最高気温が連日10度を超える暖冬傾向が続き、

スキー場は雪不足でオープンに漕ぎ着けないとニュースになっていましたが、

一転、今度は寒波が襲来、イッキに降雪と、

急な気温変化に体調を崩した人も多いのではないでしょうか。

 

現場においては、ある程度の積雪を覚悟してこととは思いますが、

今後は積雪時の安全対策と対応を十分に行い、

工程と品質管理に努めていただきたいと思います。

 

新年の挨拶回りの折に、今年も多くの方々と出会う機会がありました。

この時期は、特に他業種の方々と話をする機会も多く、

新鮮な気付きを頂ける良い時期でもあります。

 

その中で、

「建設業の企業間競争はまだまだ甘い」

というような話をされる方がいらっしゃいました。

 

どういう意味かというと、

「建設業における企業間競争は、図面通りの仕事ができる技術力があれば、

後は競合他社との価格競争だけで、地域内でのシェアを確保してしまえば、

価格をコントロールしやすくなり、競争における優位性が発生し、

その地域での競争を有利に進めることができる。

競争に勝ってしまえば、更にシャアを拡大し、大量仕入れによるスケールメリットを持って、

さらに他社に対しての優位性が増す。

少し頑張れば成長も早い」

との意見でした。

 

確かに、端から見ると、そういった業種に見えるのかもしれません。

しかし、その中には、技術や管理能力は人であるという要素が抜けています。

技術力と管理能力を持った優秀な技術者を養成する事が最も困難な事であり、

建設業は、性能の良い機械を買って企業の技術力を上げる事が出来る業種ではありません。

(性能の良い重機械を買って効率を良くすることは可能かもしれませんが)

多くの優秀な技術者を育成し、長期にわたって雇用する事ができる企業が必要とされるし、

それが、企業の力であるとも言えると思います。

 

業界によっては、製品のシェアを上げ、寡占・独占状態にする事によって、

価格をコントロールする事ができる業種もあるとは思います。

しかし、多くの業種は、多くの要素(技術革新・消費者の動向・経済的な要因)が複雑に絡み合い、

仮に市場における価格や技術の優位性があろうと、

そのまま売上増や利益が見込めない業種が殆どかとも思います。

 

成熟した時代、どの業種も簡単で単純な業種はないと思います。

単純に見えて、そのような中でどう売上と利益を確保するかが

非常に難しい業種であるとも言えます。

より愚直に努力することが最後には勝ち残れる企業になるかと思っています。

「隣の芝は青く見える」良くいったものです。

 

それぞれの業種によって市場における企業の必要性は異なると思います。

建設業においては、地域の安全・安心のためには必ず必要な業種であることは間違いありませんし、

非常に公共性・社会性を持った業種であることも間違いないと思います。

ただ、公共的にも社会的にも必要な業種だからといって、

周囲の環境や景気のせいにし、その立場に胡座を書いてはいけないと思います。

常に環境に敏感に、積極的に技術を学ぶ姿勢が必要不可欠なのだと思います。

 

今年は、景気や建設業を取巻く環境も、良くなる要素が多くないような気がします。

特に、ここ数年は、地方の建設業にとっては試練になる気配がしています。

そういう時にこそ、企業として、今後どうあるべきかを考え、

他の業種からの視線で考える事も重要な事かと思います。

 

自分自身も、多くの事を積極的に学ぶ姿勢を崩さないようにしたいと思っています。

前向きに愚直に努力し、知恵を絞って頑張っていきましょう。

 

2016年1月25日

上 田  信 和

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