2016年2月(社内回覧書類より抜粋)
今年の冬は本当に暖冬のまま終わりそうです。
積雪があったのが数日で、確かに、現場の進捗には大変助かったのですが、
やはり北陸に生まれ育った自分としては、四季が感じられる事もあり、
ある程度は降ってくれた方が…と考えるものです。
さて、毎年、1月、2月は数回上京する機会があります。
積雪や強風に悩まされる時期でもあり、毎年、飛行機か電車かと悩む季節でした。
今年は特に移動時間の短縮と同時に、
荒天時の北陸新幹線の強さと有難味を感じることができました。
多少の積雪や強風でも遅れや運行中止に不安を感じることなく移動できることは
本当にありがたいものです。
それに反して、新潟や関西への移動を考えた場合、不便を感じる事は非常に残念です。
どうしても、東京中心に考えられている公共交通網、
もっと地方間の交通の利便性を考えていただきたいものです。
また、東京都内での混雑した地下鉄等での移動は本当に苦痛としか感じられません。
社会人になってすぐに、3ヶ月間、都内で一時間半の電車通勤の経験があるのですが、
1ヶ月後に体調を崩した経験のある自分には、
「都会生活には慣れることができない人」と自分自身が認識している気がします。
「まだ東京で消耗しているの?」(著:イケダハヤト)という本にも描かれていますが、
「東京での生活は、給与のほとんどが高額な住居費などに使われてしまう現実…
東京で住まいするための経費がどれだけ掛かるのか、
それを通して地方に住まいする優位性と現実生活を認識すべきだ…」
と筆者が書いているように、
田舎(地方)において生活する事がどんなに意味深く有意義であるかを感じます。
生まれ育った地域の良さを十分に感じ、感謝しながら毎日を送りたいものだと思います。
先日、大石久和氏の講演会を聞く事が出来ました。
氏の講演会は3回目だと思います。
常に、真摯に建設業の役割や重要性を感じさせていただける講演会として
今回も楽しく聞く事が出来ました。
最も感銘を受けたのが、
「国土に働きかけなければ、国土は恵みを返してはくれない。
(国土は)働き掛ける度合いに応じて恵みを返してくれる」
という言葉でした。
急峻な山々と、そこから流れる多くの急流河川、
それらの隙間に点在する平野とそこに住む人々、
日本国内の可住地(標高500m以下で傾斜していない土地)は国土面積の27%しかありません。
イギリスは85%、フランス73%、ドイツ67%という状況から見れば大きなハンデとなっています。
自然も過酷です。日本の地表面積は全世界の0.25%です。
そこにマグニチュード6以上の全世界の地震の2割以上が発生しているのです。
また、年々ゲリラ化していく集中豪雨、多くの台風の通り道であるし、
毎年積雪による被害は発生しています。
生産人口の減少が最大の不安材料であると思われる日本において、
どんな環境下においても確実に地域間を結びつけるインフラを整備することが、
機械化や最先端の情報化よりも、
生産効率を上げる効果があるのではないかと感じます。
情報化社会になればなるほど、地方での生活と都会での生活は差が無くなってきています。
後は、公共交通や高速道路、幹線道路の整備、物理的な移動距離をいかに短縮させるかが、
生産性を上げ他国に対する優位性を上げる鍵になると思います。
2016年2月25日
上 田 信 和