2016年3月(社内回覧書類より抜粋)
3月も後半、いよいよ新しい年度まで数日となり、
春到来を予感させる日も多くなってきました。
今年の冬は歴史的に積雪が少ない年となり除雪作業もほとんどなく、
現場工程上は非常に良い年と言えたのではないでしょうか。
天候的には良かったのですが、今期の富山県内における公共工事投資額は、
これまた歴史的な減少量で(対前年比3割ダウン)あり、
民間の活力が確実な成長路線に乗っていない状況においては、
不安感の残る年度だったとも言えるでしょう。
さて、3月14日で北陸新幹線開業から1年を迎えました。
1年目の乗車人員はJR西日本の想定していた従来の在来線特急と比べて
2・2倍の乗客数を想定しましたが、3倍の900万人を突破し、
首都圏だけでなく北陸ブームに乗って関西からも大勢の観光客が北陸各地を訪れたようです。
関係者の想定を超え、記録ずくめとなった新幹線効果はいつまで続くのでしょうか。
2月に共同通信が、北陸新幹線が延伸した長野-金沢間で駅が立地する
12自治体(長野、新潟、富山、石川の4県と駅所在地の8市)に対してアンケート調査を行った結果、
開業2年目もプラスの経済効果が持続すると答えた自治体は3県6市(9自治体)であり、
その内訳は、富山県、黒部市、金沢市が「持続する」、
飯山市(長野県)や糸魚川市(新潟県)など6自治体が「ある程度持続する」
と答えました。
富山市は「首都圏などとのアクセスが向上し、今後も企業進出が期待できる」、
長野県は「沿線は観光資源が豊富」
とかなり前向きで好調感を如何わせる理由を挙げたようです。
逆に、「持続」と「ある程度持続」を選ばなかったのは、石川県と高岡市と上越市でした。
我が地元の高岡市は
「効果持続に取り組む・飛騨や能登観光の玄関口としてPRしたい」
とコメントとしたそうです。
開業1年の総論として経済効果が「期待以上」と評価したのは
富山県、石川県、黒部市、金沢市の4自治体。
黒部市は具体例として、ファスナー大手「YKK」グループの本社機能の一部移転、
金沢市は日本三名園の兼六園への観光客増などが要因とコメントしています。
宿泊予約サイト「楽天トラベル」は14日、春(3月1日~4月28日)の旅行先として前年より
人気が上昇した都道府県を発表しました。
宿泊予約実績で富山は7位(同41・9%増)、石川は8位(前年同期比40・2%増)、
今後延伸する福井が1位(同68・7%増)となるなどトップ10に北陸3県が入ったそうです。
担当者は「開業で話題になった昨年より増え、
予約が取りづらい状況」となっているとコメントしています。
まだまだ、北陸の魅力的なポテンシャルは十分に知れ渡っていません。
その魅力を如何に発信していくか…
新高岡駅は在来線駅舎との併設がベストだったかもしれません。
しかし、今更この状況をやり直すことはできません。
現状をどう活用しPRを行っていくか…
北は氷見から能登に向けての出発点であるし、
南は世界遺産の五箇山が立地し、チューリップやコスモス、菊や水芭蕉、椿、
いろんな花が季節によって楽しめます。
また、映画「人生の約束」でも注目された「新湊や各地の曳山まつり」や
「砺波地方の夜高まつり」「獅子舞」など金沢では味わえない歴史ある祭りの文化もあります。
開通前から「ストロー効果」の影響が危惧されていますが、
それが取り越し苦労で終わればと思います。
北海道新幹線も明日開業です。
北陸の真の力を発揮するのはこれからだと期待しています。
2016年3月25日
上 田 信 和