2016年6月(社内回覧書類より抜粋)

今年も7月1日から一週間、全国安全週間に入ります。

今年のスローガンは、

「見えますか? あなたのまわりの 見えない危険 みんなで見つける 安全管理」

です。

 

毎日同じ現場にいると、危険箇所が慣れによって気付きにくくなり、

危険作業や危険箇所にしても鈍感になってくるものです。

そういう時には、新しい現場のつもりで点検を行ったり、

他者からの目で点検することが重要になってくると思います。

また、暑くなってくれば現場点検をする集中力も低下しがちになります。

この安全週間を機により安全な現場の運営に気をつけていただきたいと思います。

 

さて、4月14日の熊本における震災から早いもので2ヶ月あまり経過しました。

2ヶ月目にあたる6月14日に、全国の地域に根ざした建設会社の社長が

一同に会する情報交換会が行われ出席をしてきました。

そこで東北の震災にあった宮城県の建設会社の社長や、

熊本県で震災にあった建設会社の常務さんの話を聞くことができました。

 

宮城県の建設会社の社長さんからは、未だに復興が道半ばである現状とともに、

地域の建設会社の立場として当時の話をしていいただきました。

寝る間を惜しんで作業をしている社員のために、

毎日おにぎりとお茶のペットボトルを渡して現場へ送り出していた事、

震災直後の作業では社員への食料の確保が重要になってくる事、

そして、戦場とも思われる悲惨な被災地での作業で、

社員の体力・精神力の疲労とダメージ、

その時の会社としてのケアの重要性などの話を聞く事ができました。

 

熊本県の建設会社の常務さんからは、

遅々として進まない被災地の現状と被災自治体が機能しなくなっている状況、

被災者の精神的状況の変化を聞かせていただきました。

 

震災後1ヶ月は企業も自治体も力を合わせて

最悪の状況を少しでも早く乗り越えようと助け合って復旧に取り組むが、

次第に、復旧計画と現場とのギャップを生じ、

被災者の精神的・肉体的疲労と先行きの見えない不安と苛立ちの矛先が、

災害復旧しているはずの建設会社に向けられてくるようになった。

 

そして、被災者自身が直接、建設会社や現場員に電話をかけ苦情や説明を求めたり、

現場に指図したりと、被災者への対応に費やされる時間が多くなってきたと…

彼らはあくまでも被災者であり、決して悪いわけではないのです。

しかし、そうなってくるとより地域に密着した建設会社でしか対応できなくなってくる。

ただ、社員によっては直接の被災者であることも多いため無理を強いれない。

そんなジレンマの中どう会社の機能を維持しながら地域社会に貢献し、

少しでも早く復興させていくかが課題となってくるそうです。

 

私たちは建設会社であり、食品会社や運送会社、製品を製造する会社でもない。

それも大手のゼネコンでもない、地域に根ざした建設会社なのです。

そうすれば、その地域に根ざした建設会社でしかできないことを

することが重要なのだと認識させられました。

 

今、BCPが企業として重要なことと言われています。

より積極的な計画を立てて、

かつ、地域の建設会社が平時において出来る地域貢献活動の一つであり、

企業活動の一つだと感じました。

 

2016年6月24日

上 田  信 和

 

BCP(Business Continuity Plan):事業継続計画、

災害などリスクが早く発生した時に重要業務が中断しないこと。

また、万一事業活動が中断した場合も場合でも、

目標復旧時間内に重要な機能を再開させ、

業務中断に伴うリスクを最低限にするために、

平時から事業継続について戦略的に準備しておく計画。

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