2016年7月(社内回覧書類より抜粋)
毎日、蒸し暑い日が続いています。
夏本番です。
体力的にも気分的にも厳しい時期ではないでしょうか。
集中力を高め、気持ちをしっかりと保ち、
安全で確実な現場運営に心がけていただきたいと思います。
さて、7月10日に第24回の参議院議員通常選挙が行われました。
選挙結果としては、個人的には当選してもらいたい候補者が
しっかりと良い成績で当選されていたので良かったですし、
今後のご活躍に期待したいと思います。
ただ、今回の選挙でのメディア自身の役割や影響力を考えた場合、
これでいいのかと疑問が残りました。
良い意味では、初めて18歳以上の国民に投票権が与えられた報道が
事前に大きく取り上げられ、
従来の選挙よりも興味を持たれていたせいか、
前回の参議院選挙を上回る投票率だったのではないかと思いました。
反面、選挙前後には東京都知事の辞任、
都知事候補の選出もあり、
メディアが都知事選関係の報道ばかりになり、
しっかりとした政策論争にフォーカスされないまま結果を迎えたような気がしました。
また、投開票日の選挙報道に関しても、
何やらバラエティーの延長線上の報道をした局もあり本当にガッカリしました。
皆さんもどう考えられましたか。
選挙というものは多くの要素が複雑に絡み合い、
それが選挙の結果を大きく左右されることがあります。
その中でのメディアの役割はどんどん大きくなってきているようです。
近々では英国のEUからの離脱に関する国民投票などがいい例かと思います。
議会制民主主義の最先端であるはずの英国での国民投票の結果後に
再投票の運動が起きることは、結果はともあれ異常なことであると思います。
ポピュリズムの構築、あるいは作り上げたものが世界を制していくような、
そんな時代になっていくのではないかと思います。
ヒトラーが独裁政治を行っていた時がまさにポピュリズム(populism)を
支配していたからだと主張する方もいらっしゃるほどです。
その様な多くの情報が氾濫している現在において
自分の考え方をどうやって保っていくのかは非常に難しいことかと思います。
ポピュリズム(populism):
一般大衆の利益や権利、願望、不安や恐れを利用して、
大衆の支持のもとに既存のエリート主義である体制側や
知識人などと対決しようとする政治思想または政治姿勢のことであり、
日本語では大衆主義や人民主義などと訳される。
ほか、政治指導者が大衆の一面的な欲望に迎合して
大衆を操作する方法を指し、大衆迎合主義とも訳される。
また、同様の思想を持つ人物や集団をポピュリスト(populist)と呼び、
民衆派や大衆主義者、人民主義者、
もしくは大衆迎合主義者などと訳されている。(Wikipediaより)
ポピュリズムは、メディアやSNSが発達し、
それらを通じて多くの情報を大勢の人たちが一瞬にして
共有出来る世界が構築されている現在においては、
政治家や一部の権力者がこれを利用、
あるいは操作して自分たちの都合のいいような主義・主張を
多くの人に植えつけることはより簡単になってきています。
また、発展途上国ではなく、
先進資本主義国を中心に起きると言われています。
この多くの情報をどう判断するかが
国政や世界の情勢をも支配してくる時代が訪れてきています。
さて、日本の首都の船頭であり、
2020年には東京オリンピック・パラリンピックも行われる東京の
代表者ある都知事に都民がどんな人を選ぶのか、
そして、その中でのメディアの報道はどうなっていくのか、
非常に気になるところです。
2016年7月25日
上 田 信 和