2017年3月(社内回覧書類より抜粋)

暖かい日が多くなり春が近づいてきました、

今年も新入社員を初めとする新しい仲間を迎え

新しい春を迎えることができます。

より多くの仲間と共に事業活動ができる喜びを感じる季節でもあります。

皆さんもよろしくお願いします。

 

「メラピアンの法則」という言葉があります。

この言葉は、他人にメッセージが発せられたとき、

発した人の行動が他人にどのように影響を及ぼすかを研究した法則です。

その研究によると、話の内容などによる言語情報からの影響が7%、

口調や話の速さなどの聴覚情報による影響が38%、

見た目などの視覚情報による影響が55%という結果が出たとのことです。

 

すなわち、人の心は、言葉の力で7%、話の内容で38%、

表情で55%影響されるということになります。

目は口ほどに物を言うとも言いますが、

相手に物事を伝えようとするときの表情や行動がいかに大切か

ということに気をつけなくてはならないと思います。

新しい仲間との出会いが多くある時期です。

是非、意識した行動を行っていただきたいと思います。

 

この頃「やってる感」という言葉が注目されているようです。

安倍首相も使っていらっしゃるようで、

「アベノミクスの成果は出てるのでしょうか?」

と言う質問に対して

「アベノミクスっていうのは“やってる感”なんだから…

成功とか不成功とかは関係ない。

やってることが大事。

だって民主党は何もやらなかったでしょう。

やっているのとやっていないとでは差があるんですよ」

というふうにコメントされたそうです。

 

確かに納得してしまうところはあります。

また、「やってる感」自体が成果や結果が出るのではないかという

「期待感」をも感じてしまいます。

政治や経済の上ではそれでもいいのかも…とも(本当は違うのですが…)

 

それでは、ビジネスの世界、特に企業の中ではどうなのでしょうか。

企業の中で個人を評価するにあたり、

この「やってる感」という感覚は人の評価に微妙な変化を生じさせます。

確かに、「やってる感」、「頑張ってる感」の雰囲気を出している人は評価をしたくなるし、

当然、やらない人と比較すると評価すべきだと思います。

しかしながら、その「やってる感」だけで結果が出なかった場合の

評価はどうあれば良いのでしょうか?

 

日本には元来「やってる感」そのものを評価する文化、

すなわち、成果の如何を問わず

「頑張っている人を貶めてはいけない」という文化があるそうです。

海外ではどうなのでしょうか?

1990年代に、年功序列という文化や評価制度が重んじられていた社会に、

成果主義と呼ばれる考え方が海外から導入され、もてはやされました。

その考え方の中では成果や結果を出してこそ評価されるのです。

成果主義(結果主義)でのみ評価されるとすれば

「やってる感」は全く評価してはいけないのかもしれません。

 

「やってる感」を評価する文化では長時間労働は無くならないと言う評論家もいます。

年俸制という観点はまさしくそれの典型であり、

結果が出て初めて報酬を得られるシステムであり、

そこには残業という考え方は無いのです。

 

多くの企業で長時間労働が問題視されています。

国自体も週休二日制や長時間労働を無くすことが

良い社会・良い会社と評価するようになってきました。

また「担い手対策」への近道のようにも言われています。

 

前述の内容を達成させ、公平・公正な評価をするためには…

人が人を評価する時代、非常に難しい問題でもあります。

いっそのことIoTやAIの世界になればこんな悩みも払拭されるのかもしれません。

全員で一緒に考えていきたいと思っています。

 

2017年3月24日

上 田  信 和

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