2017年5月(社内回覧書類より抜粋)

連休も終わり、散居村の田にも苗が植わり、木々の新緑が映え、

一年でも最も暮らしやすく綺麗な季節になってきました。

今年の連休は、天候にも恵まれ、皆さんも家族と過ごした人や趣味に没頭していた人、

農作業に勤しんでいた人等いろいろで、

それぞれが充実した時間を過ごせたのではないかと思っています。

 

また、砺波野における一年で最も注目されるイベントであるチューリップフェアーも

近年にない来場者が訪れ、砺波市や関係する人たちにとっても良い連休になったことと思います。

特に、近年は海外からの来訪者が増えているようで、私が行った3回とも、

多くの外国からの来場者に出会うことが出来ました。

また、その来場者の殆どが団体客だと思いきや、

個人でJR城端線を乗り継いできている方々も多くあったと聞き驚いています。

これは、SNSやネット等の発達があればこそだと思い、

便利になった情報化社会の影響に驚いています。

 

先日、講演会で藤沢久美氏(シンクタンク・ソフィアバンク 代表)の話を聞く機会がありました。

今、世界は第4次産業革命の最中であるそうです。

その革命とは大きく3つに分類されるそうで、

一つ目は情報通信技術革命(IT、IoT、IoE、AI等の技術)、

二つ目は再生医療技術(遺伝子研究、iPS細胞技術等)

そして三つ目はナノテクノロジー(原子サイズの技術革新)とのことです。

 

現実問題として、情報通信技術の面では他国に比べて日本は遅れをとっているようです。

海外ではタクシーに乗るときに、手を上げてタクシーを止めるのではなく、

「UBER()」というシステムを使い、

スマホ等の通信機器で最も近くいるタクシーを呼ぶ事が当たり前になっています。

車や生活スペース、生活スタイルなどもネット上で情報を交換し、

経済的かつ効率的にシェアリングする事が普通のこととして行われているようです。

 

そういった社会では、どんな業種にとっても、

企業はスピード感と合理性が求められてきますし、

当然、他社よりも先行したノウハウや技術、取組みが求められ、

どの企業と、どういった分野で繋がり合理化していくかが重要視されます。

その中で、企業は、どの仕事をIT化(ロボット化)していき、

どの仕事を従来通り人間で行なっていくかを選別する事が重要となるのです。

どんどん道具(機械)は進化していきます。

それをどう使うかを判断する事が重要視されているのです。

 

ただ、彼女はネット上でこのようなコメントも残しています。

ネットの世界では、人間の心と個性を表現できないものには、人が集まってきません。

その個性は、多種多様あり、それぞれが異なる個性に共感し、

その個性との関係を深めようとしてくるのです。

個性は違えども求められるのは、利己的でなく、

人を思いやる気持ちを持って発信しているかどうかという事です。

 

企業においては、小さな企業の社長さんたちが磨いてきた個性とも言える

「技術力」や人を思いやる「人間力」が、

価値となり、強みとなり、ブランドとなり、そして、信頼となるのです。

 

小さな企業同士が、地域を越えてつながることで、

あたかも大きな会社のような役割分担を行い、大きな事業を実現することが可能になるのです。

企業の個性とは何か、

そして、企業の個性を保ち繋ぎながら、

小さいながらも地域に勝ち残る意味ある企業にして行かないといけないと感じました。

 

2017年5月25日

上 田  信 和

 

※ 藤沢久美:1967年生、奈良県出身、投資運用会社勤務を経て、

96年日本初の投資信託評価会社を起業。

99年、同社を世界的格付け会社スタンダード&プアーズに売却後、

2000年にシンクタンク・ソフィアバンクの設立に参画。

現在、代表。

07年には、ダボス会議を主宰する世界経済フォーラムより

「ヤング・グローバル・リーダー」に選出され、

08年には、世界の課題を議論する

「グローバル・アジェンダ・カウンシル」のメンバーにも選出される。

政府各省の審議委員、日本証券業協会公益理事、豊田通商など上場企業の社外取締役なども兼務。

近著は、『最高のリーダーは何もしない』(2016年2月)。

『なぜ、川崎モデルは成功したのか?』など著書多数。

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