2017年7月(社内回覧書類より抜粋)
暑い日が続いていますが、体調はいかがでしょうか。
また、異常高温やゲリラ豪雨、落雷などの異常気象も頻繁に起こる季節でもあります。
現場で頑張っていただいている皆さんには特に天気予報等にも留意して
自分の体調管理とともに、
安全で安心できる現場運営に注意していただきたいと思います。
さて、7月5日から発生した九州北部地方における豪雨災害では
河川の氾濫と土砂崩れにより多くの方々が被災されました。
残念ながら30人以上もの方々がお亡くなりになり、
少しでも早い復旧をお祈りしたいと思います。
今回の被害を拡大させた大きな理由として
20万トンとも言われる大量の流木が流れ出したからだとも言われています。
橋に引っかかった流木が川の流れを阻み、
あふれた水が濁流となり街をのみ込み、
流れた流木自体が住宅等の構造物を破壊していった事もあるようです。
大きな被害を受けた地域の上流は林業が盛んであったそうです。
ひと昔前までは環境破壊という考え方から森林伐採はすべきではないという風潮があったような気がします。
実際には、今となれば、スギなどの植林地は、
人の手で木を間引く間伐をしないと太陽の光が入りづらくなり、
しっかりと地面に根を張ることができない。
定期的に間伐を行わないと強風や大雨などの際に倒れやすくなったり、
辺り一帯の地盤が崩れやすくなってしまったりするということが常識として受け入れられています。
しかし、現実的には、林業自体の採算が合わないという事で従事する人も減り、
森林の維持もできなくなっています。
森や林を形成するには、木々は何十年とかけて大きくさせる努力が必要なのです。
一時期的な判断ミスが後世に残る負の遺産として残ってしまう。
そんな例が今回の災害の根底にあったのではないかという気がしました。
また、大分県の同様の地域に平成24年7月11日から14日にかけて今回のような豪雨災害が発生していました。
死者は30名、負傷者27名、床下浸水9,300件、床上浸水3,300件の災害でした。
しかしながら、その後の早急な河川の改修工事が行われた事によって、
今回の豪雨による河川の氾濫被害はなかったそうです、
過去に学び、そしてインフラを整備すれば
安全で安心な国土を築くことができる証と実感することが出来ました。
我々建設業は、地域の安全・安心を担っている。
そんな誇りを持って仕事をしています。
一時期的に「コンクリートから人へ」という間違った政治スローガンに翻弄されながらも…
もしかすると…その時期にインフラ整備の手当できていれば
災害に遭わずに済んだ地域があるのかもしれません。
富山県も、多くの河川改修や砂防工事等の防災インフラ整備が進んでいるから
災害が少なくてすんでいのだと思います。
先人達に感謝するとともに、
より巨大化している気候災害にも対応できるインフラ整備を行なっていくべきだと感じました。
2017年7月25日
上 田 信 和