2017年12月(社内回覧書類より抜粋)

本格的に北陸の冬が到来しました。

今年の冬は厳しくなるとの予想通り、

12月に入ってから気温がぐっと下がり、

例年よりも早い積雪も記録し現業においては本当に辛い日が続いています。

年末年始前の追い込みの最中とは思いますが、

年末年始には十分にリフレッシュして、

新たな年を迎えられるよう頑張っていきましょう。

 

さて、先日、面白い記事を読みました。

『大人のイジメが国を壊す』との記事です。

何のことやらと思われる人が多いとは思いますが、

「北海道職員の採用試験の合格者の6割前後がここ数年、内定を辞退している」

「滋賀県では土木系の22人の採用枠が確保できない」

とのNHKニュースの見出しを見ての感想とその考察でした。

 

その「大人のイジメ」とは、

①公務員に対するイジメ(公務員バッシング)

②土木業界へのイジメ(土木バッシング)であると筆者は述べていました。

いずれもマスコミ等で批判されている状況を感じて、

親御さんが子供達に「そのような職種についてもらいたくない」

との思いが現実化させているとのことでした。

 

さらにその矛先は、

③地方へのイジメ、にも及んでいます。

「地方は努力が足りない」との都市部での発想が、

地方をより加速度的に衰退させているということです。

 

戦後、日本の復興を掲げ先人達の努力により、

現在の都市部は地域に比べ公共の力と土木の力で、

先んじて成長できるだけの要素(インフラ)を整えられてきたのです。

その都市部と、未だ十分なインフラ投資が行われていない地方との単純な比較ができるのでしょうか。

 

それは人材にも言え、優秀な大学を都市部に備え、

その中でも選りすぐりの人材を都市部に集中させておきながら、

地方との差を埋めようともしない。

結果、地域の努力が足りないからと都市部を含んだ地域間競争に誘導していく。

地方にとっては、そもそもスタート時のハンデがあるので、

追いつくどころか、年月が経つたびに離されていくのは自明の理であります。

 

更には、

「都市部と比べて効率が悪い、そんな地方に投資をするのは無駄である」

との風潮に甚だ怒りすら覚える次第です。

筆者は

「ただでさえ可住面積の狭いこの日本で先に述べたようなイジメを繰り返すことによって

自分たちで可住面積をより狭めていることに気がついていない」

と締めくくっています。

 

まったく同感です。

更に言うと、その都市部の殆どが、

今後30年以内に巨大地震が発生する確率が50%以上

(東海地震:87%、東南海地震:60%、南海地震:50%)

と言われる地域に集中しているのが現実です。

危機管理の上でも、国策としては考えられない対応を取っていると考えます。

首都圏の多くの人たちの電気は地方の発電所から送電されているのです。

多くの食材にしてもそうです。

そのような恩恵を受けながらも地域をないがしろにする感覚が、

同じ国の国民としていかがかと思いますが、

皆さんはどう思いますか。

 

2017年12月25日

上 田  信 和

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