2018年2月(社内回覧書類より抜粋)

2月に入り、想定外の大雪に悩まされました。

各現場とも毎日のように積もる雪に工程管理・安全管理とも苦労があったと思いますが、

もう暫く寒い日は続くと思います。

しっかりと品質確保・安全管理とともに現場運営をお願いいたします。

 

先日、とある会合で80代後半の方の挨拶が非常に印象に残りました。

その挨拶はというと、

「今年の大雪は56豪雪以来の大雪と言われています。

その前は38豪雪その前が20豪雪でして、

18年おきに発生していたという歴史があります。

どの豪雪においても大変でしたが、

今は除雪機械が整備されて便利になりました」

というような挨拶でした。

 

確かに、自分自身、38豪雪(昭和38年)や、

56豪雪(昭和56年)というフレーズはよく聞きましたが、

(ちなみに38豪雪は経験していません)

その前の豪雪が20豪雪(昭和20年)だったということを初めて知りました。

 

ネットで調べてみたところ、昭和20年(1945年)という年は、

太平洋戦争中でもあり、なおかつ敗戦濃厚という時期でもあり、

当時の詳細な状況はよく知られていないらしいく、

気象台の観測記録と個人的な写真でしか伝えられていないそうです。

当時、マスメディアは新聞しか無かったのですが、

その新聞も国家の統制により地域には地域新聞社1社のみ、

紙面のスペースも現在の1ページ分の用紙の表と裏だけであり、

表面は中央政治や軍事記事、裏面は地方行政や社会的動向で、

さらに裏面の内容の殆どは検閲があったため、

気象情報も軍事秘扱いされており、細かな情報は後世に伝えられていなかったようです。

ただ、この年の冬は大雪であったことは疑う余地はなく、

検閲の縛りを受けながらも活字として少しは報道された部分はあったようです。

 

当時からメディアによる報道の役割は大きく、

最新の実情を知る上でも、過去の史実を知るにしても大事な役割を持っています。

そして、それは事実の伝達にとどまらず、社会に対して様々な働きかけも行います。

同時に、偏った報道や間違った報道により、

社会全体をミスリードする可能性もあるのです。

また、社会的な背景やら政治的な影響によりどうしても偏った伝達しかできなくなる事もあるのです。

個人は、その情報により、どう事実を誠実に読み取るかという感性を持たなくてはいけないし、

そのような訓練をしなくてはなりません。

 

現在においてはSNSが非常に発達し、

時によっては個人の考え方や見解、不確実な情報、

個人的な誹謗中傷があたかも正しい情報として発信される場合も出てきました。

マスメディアのマスは大量とか大衆を意味し、

大衆がコミュニケーション(マスコミュニケーション)をする媒体(=メディア)のことです。

SNSはメディアの一つですが、マス(大量・大衆)ではありません。

マスメディアと同様に取り扱うことは非常に危険なのです。

個人として、発信する側としても、受信する側としても適切な対応をしなくてはならないと思います。

このことをしっかりと把握した上で生活をしていかなければならないと感じました。

 

ちなみに、今年の豪雪は福井県での被害が最も大きかったように思います。

昭和20年の豪雪の時は、同年の7月には空襲に襲われ、

3年後の6月には福井地震(震度6の直下型地震、死者3,728人、負傷者21,750人)、

7月には九頭竜川の決壊による被害と、

短い期間に立て続けに壊滅的な被害を受け歴史を持っています。

福井県では昭和29年から「福井祭り=福井フェニックス祭り」が行われているようです。

これからも頑張って欲しいものです。

自分自身も自分たちの住む街には多くの歴史があるし、

過去には大きな災害もあります。

自分たちの住む街を大切にしながら、

これからも安全・安心な地域をつくって行きましょう。

 

2018年2月23日

上 田  信 和

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