2018年7月(社内回覧書類より抜粋)
今年も暑い夏が訪れました。
今年の夏は本当に厳しく、すでに5年ぶりと言われる40℃を越す地域も出ています。
熱中症への対応もさることながら、
時によっては戸外での作業自体が人命に影響すると言われる35℃を超える日も珍しくなくなりました。
実際の現場においては体感気温は更に4℃から5℃も高く感じるそうです。
規則正しい生活と、万全の体制で乗り切りましょう。
また、7月6日に西日本を中心とする豪雨災害が発生しました。
この災害で亡くなられた方々のご冥福を祈るとともに、
被災された方々の少しでも早い通常の生活に戻られることを祈ります。
この災害は近年増加している異常気象に原因があります。
6月28日0時から7月8日9時までの総降水量は四国地方で1,800ミリ、
中部地方で1,200ミリ、九州地方で900ミリ、近畿地方で600ミリ、中国地方で500ミリを超えおり、
これは多くの箇所で観測史上最大を記録しているのです。
これは近代土木の設計値を大きく上回る気候であり、
より厳しい自然状況に耐えうる設計や対応が必要となってきているのではないかとも思います。
明日は我が身かもしれません。
一度は自分が住まいしている場所の「洪水ハザードマップ」を見ておく必要があると思います。
さて、「人間」という言葉を考えたことがありますか。
ある人に言われて考えて見たことがあります。
Wikipediaによると、
「人間」とは「人の住むところ。世の中。人が生きている人と人との関係の世界。」
という概念であると書かれています。
「人間」に対する英語は「human being」です。
この言葉を個別に訳すと、「人=human」と「という生き物=being」となります。
しかしながら日本語は「人(ヒト)」+「間(アイダ)」という漢字があてられます。
人は常に「間(マ)」にこだわってきたと言います。
それは、人と人との間、例えばベンチに座ったり、
バス停に並んだりという行動の中には人間関係に関する「間=距離」があります。
親密な関係だと距離は短く、他人だと距離は離れます。
その距離は国民性を表す時もあります。
ネットで「イギリス人が駅のベンチに座ると…」や
「フィンランド人がバス停に並ぶ…」
と検索していただければ国民性や特徴がわかると思います。
また、国民性を考えると、日本人は特に「間(マ)」を大切にする国民だと思います。
茶道や華道における「間(マ)」、
建築様式にも、玄関や床間、縁側などの本来の生活と外の世界の間を撮る場所や、
部屋の中における「間(マ)」をとる空間を敢えて設けたりしています。
「間(マ)」は、普段の生活の中にも重要な意味を持ち、
それは所作や言葉にも現れてきます。
人と人との「間(マ)」が人間関係を良くも悪くしてしまうのです。
人はコミュニケーションを大切にする生き物です。
唯一、感情を持つ生き物でもあります。
他の人を大切に思ったり、愛することがあったり、反対に煩わしく思ったり、
他の人からどう思われているかも気にしたりしますし、
自分の生活する空間の中で、自分の居所や存在価値を見出すことによって喜びや苦しみを感じます。
自分自身のアイデンティティー(identity)を確立させようと努力し、
それを他人に認めてもらいたいという欲求を抱く生き物でもあります。
お互い人間であり、「間(マ)」を大切にする生き物です。
互いを尊重し、互いを認め合い、互いに信じあい、
思いやりや優しさ、そして自助・共助を持つ生き物でもあります。
それらを認め合いながら生活することが「人間」として生きて行くことになるのではないでしょうか。
言葉の持つ意味はそれぞれ深い世界があるなと感じながらも
人間らしく生きてゆきたいとも感じました。