2018年10月(社内回覧書類より抜粋)

10月も後半に入ると朝晩が寒く感じるようになりました。

少し前までは暑くて…と感じていたはずが、

台風が過ぎ去ってからは急に気温も下がり、

テレビではスタッドレスタイヤの売出しや、

暖房器具の宣伝が流れ始めてきました。

いよいよ冬の準備をしなくてはならない季節になった気がします。

自分自身の体調、現場における安全と工程管理を確実にお願いします。

 

この頃「働き方改革」という言葉が盛んに言われています。

それと同時に言われているのが「週休二日」という言葉です。

建設業においては、十年ほど前までは、ほぼ日曜日しか休みがない状態だったと思います。

生産性を上げて利益を生み出すのは工期を短縮させる事が最も有効な手段ですし、

天候に左右される仕事ですから、

出来るだけ前倒しで工程を進めるということも大きな要因だったからでもあります。

それが世界中で「日本は働きすぎ」という風潮のもと、

土曜日もしっかり休みましょうという気運になってきました。

 

「働き方改革」という言葉が出てきたのはかなり前に遡ると思いますが、

より具体的に政治的に動き出したのは、

2016年(平成28年)に第3次安倍内閣が発足してからで、

働き方改革を

「 一億総活躍社会の実現に向けた最大のチャレンジ 」

と位置付け、多様な働き方を可能とする社会を目指し、

長時間労働の是正、同一労働同一賃金の実現など、

労働制度の大胆な改革を進めることとして閣議決定されてからです。

 

本来、「働き方改革」とは、

「「働いている人の満足」を達成させるために働き方を考え直しましょう」

ということかと思っています。

もともと日本人は「働くことに喜びを見出す」という人種であるとも言われています。

その「働くことの喜び」は、世の中に役立っているとか、

誰かに喜んでもらえるとか、存在感の自己確立のような背景があってのことかと思います。

 

その「満足度」を保ちながら「幸せな人生」を確立させていくことが基本だと思います。

しかしながら、現在の流れはその基本に即してないのではと思います。

 

ところが現実には「働き手の確保・担い手の確保」のための「働き方改革」や

「週休二日」になっているようにしか思えません。

極端な言い方をすれば「できるだけ働かない職場」を用意しますので

是非入社してもらえませんか?

というような感覚ではないかと…。

 

「働かざるもの食うべからず」という言葉もあります。

日本国憲法には

「教育の義務」、

「納税の義務」

「勤労の義務」

という国民の三大義務も定義されています。

 

「ブラック企業」と言われる企業が有るように、

企業自体の考え方も多種にわたっているのも事実ですが、

政治判断として「働いている人」に休日を多く取りなさい、

残業はダメです、有給を何日以上取りなさいという考え方を押し付けるということは

「働き方改革」の本質とは違ってきているように思えてなりません。

 

そうではなくて、企業自身が自助努力のもと変化していかなくてはならないのだと思います。

時代は常に変遷しています。

根底に流れている基本的・本質的な部分は変えてはならないことはありますが、

変えるべきところは変えていく必要があります。

 

勤勉・真面目・働き者が多いと言われる富山県から

一億総活躍担当大臣が選出されました。

そのご活躍に期待いたします。

 

2018年10月25日

上 田  信 和

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