2019年10月(社内回覧書類より抜粋)

 

朝晩めっきりと寒くなってきました。

冬の到来ももう間近というところでしょうか。

 

さて、12日(土曜)から13日(日曜)にかけて東海から関東、

東北地方へと甚大な被害をもたらした台風19号には衝撃を受けました。

特に、北陸地域の経済に直接影響がある長野市内での

北陸新幹線の車両基地で新幹線の車両が水没している様子を

テレビで見た時には愕然としました。

自然の脅威の前には人間の知恵や技術の結晶も儚く壊れてしまう

ということを思い知らされた気がしました。

多くの土木構造物は、ある程度の降水量にも耐えられるように

設計はされてはいますが、降水量が数十年に一度ならまだしも、

100年に一度という降水量が集中すると仕方がないのかもしれません。

しかしながら、ハードで防げなくてもソフトの部分で防げたことや、

対応によっては防げたことがあったこともわかった気がしました。

 

実際、東北新幹線は浸水を想定して高台に新幹線の車両を避難させていました。

また、東京都大田区では排水場の配置されていた職員が避難してしまい、

ポンプによる排水が10時間にわたってできず、

590軒の住宅が浸水被害に遭ってしまいました。

これも想定できていなかったからか、

それともちょっとした機転を効かせれば防げた災害だったのか。

新幹線の車両が浸水した車両基地でもハザードマップでは

10mの浸水の可能性があるとも描かれていたそうです。

結果を見て批判することは簡単な事ですが、

今後ともこのような経験を大事にしていただきたいと思います。

まずは、亡くなった方のご冥福と、

被災された方々の少しでも早い復興をお祈りいたします。

 

 

そんな中、自国開催で行われたラグビーW杯で

桜のジャージを誇らしげに戦い続けたラグビー日本代表の姿に

勇気をもらった人は全国でもたくさんいたのではないでしょうか。

日本は予選リーグ、4戦全勝で初のベスト8に進みましたが、

残念ながら、ベスト4を掛けた試合で南アフリカに負けてしまいました。

負けたとはいえ本当に素晴らしい試合を見せていただいたと思うし、

新しい日本ラグビーの歴史に刻まれる良い大会になったと思います。

日本代表の皆様本当にお疲れ様でした、ありがとうございました。

 

このラグビー日本代表を常にスポンサーとしてバックアップしてきた会社があります。

「リポビタンD」の商品でも有名な「大正製薬」です。

前回のW杯で世紀の番狂わせと言わしめた、

南アフリカ戦あたりから人気は出てきたものの、

その前まではほとんど注目をされていませんでした。

それにも関わらず、2001年から既に

21年もの長きにわたりスポンサーをしていたそうです。

大正製薬の上原会長が学生時代にラグビーをしていた

という事が始まりではあるとのことですが、

大正製薬では創業以来「紳商」という言葉を大切にしてきたそうです。

「紳商」とは、「商売は厳しい戦いの連続だが、

その戦いはあくまで紳士的でなければならない。

約束とルールを守る、嘘をつかない、弱い者いじめをしない、

品格ある職業人であれ、という精神」のことだそうです。

その考え方が、紳士のスポーツであるラグビーと共通していたからだそうです。

今回初めて知った言葉ではありますが、良い言葉だし、

商売を行う上でも大切にしなくてはいけない本質の部分だと思いました。

今回のW杯の思い出とともに大切にしていきたいと思います。

 

2019年10月25日

上 田  信 和

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