2020年5月(社内回覧書類より抜粋)

 

新緑が鮮やかな爽やかな季節になりました。

しかしながら、新型コロナウィルスの影響はまだまだ予断を許さない状況です。

一旦収束したと思ったのも束の間、海外の多くの国において

2次、3次の感染爆発が発生しているようです。

このまま、全国民が、以前の生活に戻れないのではないか

という不安にも駆られます。

経済の状況をみても、この影響が長引けば長引くほど悪化する事は明らかです。

 

今回のこの新型コロナウイルスに関連して、

皆さんも残念に感じた事がいくつかあると思います。

例えば、誰がこのウイルスの発生源なのかを見つけることに(犯人探し)に

無駄な労力を費やしている人々、それに関してネットを中心とする誹謗中傷をする人、

最後には実害まで生じさせる人がいます。

また、コロナに感染しているにも関わらず、意味のない行動や、

わがままで自分本位な行動により騒ぎを大きくした人、

そして、何が本当か分からない不確定な情報を多くの人に発信する人達。

何故こんな残念な事が発生するのでしょうか。

確かに、誰もが不安な毎日や、強いストレスが掛かった生活を送っています。

かと言って、自分自身のストレスの発散のために、

他人に迷惑をかける事は必ずしも許されるものではありません。

そんな残念な事が多く起こっている気がしてなりません。

敢えて前向きに捉え、働き方や毎日の生活スタイルを前向きに見直す時間と

機会が得られたと考えれば、ある意味、良い機会でもあったと考える事が出来るかもしれません。

 

朝のNHKニュースに養老孟司氏が出演していてこんなコメントをしていました。

昔、結核という病気がありました。それに感染すると1ヶ月は休学しなくてはならなかった。

しかしながら、休学が済んで学校に出てきた子供はすごく大人になっていた。

もうちょっと長い目で物事をみる様になる。今の人たちはゆっくりと物を考える機会がない。

昔は「人生は何だ」とか人生の意味を聞くと、それは若い者、暇な学生に聞く事と大人に言われた

というふうにコメントをしていました。

物は考え様です。

確かに世知辛く失敗の出来ない風潮の中で、マニュアル化され、

物事の本質を深く考えず、指示がされるまま毎日を暮らしている、

そんな状況をふと我に帰り見直す、良い機会を与えられた様な気もします。

そんな悠長なことを言っている場合では無いと言われるとは思いますが、

自分なりに、この混沌とした不安とストレスがかかる毎日を過ごしていくにあたって、

重要な考え方なのかもしれないとも思いました。

 

今こうやって、自分たちが健康に毎日がおくれることに感謝し、

医療従事をしている方々やエッセンシャルワーカー(生活必須職従事者)の方々に感謝をしながら、

自分ができること、そして自分がしなければならないことを考えた行動を

個々人が積極的にしていくしかない様に感じています。

総理が緊急事態宣言の解除にあたって発言をされました。

それを引用すると…

「長期にわたって生活の制約の多い暮らしが続く中で大きなストレスもたまっておられると思います。

ただ、私たちのこれまでの取組は確実に成果を上げています。

今、また感染拡大を予防しながら、同時に社会経済活動を本格的に回復させていく。

新たな日常をつくり上げるという極めて困難なチャレンジに踏み出します。」

お互いに、新たな日常とは何ぞやと考えながら頑張っていきましょう。

 

2020年5月25日

上 田  信 和

戻る