2021年5月(社内回覧書類より抜粋)

五月も後半に入りました。

田植えも終わり、本来であれば、木々の緑も爽やかに感じる季節のはずですが、

今年の梅雨入りは全国的にも早いようで、毎日のように雨が降っています。

コロナ対策の為にマスクをしていることもありますが、気温が上昇するにつれ、

蒸し暑く感じ、熱中症の危険度も上がります。

現業では安全もさることながら、熱中症予防の為にも

体調管理に十分に配慮しながら業務の効率的な遂行をお願いします。

 

新型コロナウイルス感染症については、高齢者の方から

順次ワクチン接種を受けられることにはなりました。

しかしながら、希望者全員が受けるまでにはまだまだ時間が掛かりそうです。

自分自身もそうですが、家族や同僚の皆さんがワクチン接種を受け終わるまでは

コロナ対策にも配慮しながらの業務になるとは思いますが宜しくお願い致します。

 

雑誌の記事で「一億層不安社会到来」との見出しを見つけました。

コロナの感染の心配、経済状況の悪化、人によっては職も失い

日々の生活もままならない人たち…

特にエッセンシャルワーカーのように日々感染のリスクにさらされている人たち、

飲食業や観光業で働いて収入が極端に減った人たちや

コロナの影響を直接的に受けて苦しんでいる人たちは、

これらの方々のストレスを考えると本当に大変な毎日を送っていらっしゃると思います。

ただ、そうした影響をあまり受けていないのに、

不安や悩みが絶えなくなった人も少なくないと思われます。

脳科学者の茂木健一郎氏によると、その原因は時間だという事のようです。

 

外出自粛やリモート勤務で、多くの人たちは自分の時間が増えたことでしょう。

しかし、時間が増えたことは必ずしも喜ばしいことばかりではなく、

むしろ本来なら悩まなくてもいいようなことを考える余裕が出来て、

逆にストレスが溜まってくる面があるそうです。

やるべき事柄に追われているとストレスが溜まるのではないか

と考える人はたくさんいると思いますが、それは事実ではないそうです。

心理学者のミハイ・チクセントミハイ氏の唱える「フロー理論」では、

集中していろいろなことをやっている状態が最も喜びを感じる状態だと指摘したそうです。

忙しく目の前のことに集中しているときの方が不安や悩みを持ちにくいそうです。

 

コロナ禍は私たちに“外出の規制や人との接触を避ける”事を要請しました。

それによって費やされていた時間を解放させ、個々人に自由な時間を与えました。

自由な時間は私たちに余裕を持たせ、その余裕が物事に集中することを妨げたのです。

以前なら目に留めなかったことに意識を向けさせるようになってしまったようです。

それが今ある不安や悩みの正体のようです。

 

仕事のやり方としては、悩む暇がないようなやり方は、ある意味、正しいと思います。

余裕な時間があると、仕事を前にして考え始め、「こんなにあるのか」、

「面倒だな」等とネガティブな考え方が生まれてきます。

しかし、時間の制約があり、とにかく手を動かさないと仕事が終わらない状況だと

「いまここ」に集中するしかなく、そうすることによって案外仕事は進むものです。

そんな感覚を持ったことは誰しもあると思います。

 

では、「いまここ」に集中するためにはどうすればよいか…

現代社会は常に多くの情報が入って来ます、その冴えたる物がスマートフォンです。

それらの情報を遮断して「いまここ」に集中することが大切です。

仕事を前にして「この仕事には何の意味があるのか」「この目的は何か」

と自問自答する人も沢山いると思います。

個人的には悪い事ではない気がします。

特に新しい業務を任せられた人には重要なことだと思います。

しかし、時間の制約がある業務を行なわなくてはならない場合は無意味なことです。

誰かがしなくてはならない業務に対して、疑問や目的を探すこと自体に意味はありません。

やり方や方法を考えることは大切です。

ただ、時間の制約がある場合の業務は、四の五の言わずにやるしかないのが現実なのですから。

スマホが視界に入るだけで作業効率は落ちると言われています。

自分も時間の使い方を考え、「いまここ」に集中する為にも、

スマホ等との付き合い方を考えていくべきだと感じました。

 

2021年5月25日

上 田  信 和

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