2023年1月(社内回覧書類より抜粋)
2023年がスタートしました。
今年の一二支十干は「癸(みずのと)卯(う)」です。
卯年(うさぎ年)は毎年変わる十二支の一つで、十二支の4番目、十干は「癸(みずのと)」です。
十二支や十干は数や方角だけでなく、それぞれ独自の意味を持っているそうです。
「癸(みずのと)」が持つのは十干の最後である事より、物事の終わりと始まりを意味するそうです。
他にも「揆(はかる)」という文字の一部であることから「種子が計ることができるほどの大きさになり、
春の間近でつぼみが花開く直前である」という意味だとも言われています。
「卯」はもともと「茂」という字が由来といわれ「春の訪れを感じる」という意味、
また、「卯」という字の形が「門が開いている様子」を連想させることから
「冬の門が開き、飛び出る」という意味があると言われています。
また、卯(うさぎ)は穏やかで温厚な性質であることから、「家内安全」。
その跳躍する姿から「飛躍」、「向上」を象徴するものとして親しまれています。
他にも「植物の成長」という意味もあり、新しいことに挑戦するのに最適な年と言われています。
この2つの組み合わせである「癸卯」には、「これまでの努力が花開き、実り始めること」といった縁起の良さを表します。
皆さんと一緒に実りある年に出来れば良いと思います。
さて、年末年始と時間があったので、昨年の夏に買っていながら読めなかった「国家の品格」などの
著書で有名な数学者で作家の藤原正彦氏の「日本人の真価」を読みました。
この本は昨年の夏に発刊されたもので、その時期に富山で本人の講演会があり、その時に買ったものです。
その時の講演の語り口調が思い出される書き方で楽しく読むことが出来ました。
新型コロナウイルスの収束がまま成らない時期を嘆きながらも、数学者としての持論を展開し、
情報過多となっている現代人の数値の分析や、世の中の多くの人が拒否反応を示している
数学学問や考え方としての大切さを描きながら、数学者らしい事例も多く書かれていました。
例えば、祖父母の家まで、往きは時速50キロ、帰りは並行して走る高速道路を時速100キロで帰ったとします。
直感的に、平均速度は時速75キロと思いがちではありますが、正解は、平均時速66キロです。
一瞬、えっとなりませんか?「50キロと100キロの平均だから75キロじゃん」と考えてしまいがちです。
改めて考えると、祖父母の家までの距離を100キロと仮定し、
往きは時速50キロだから二時間、帰りは時速100キロだから一時間掛る。
よって200キロの距離を三時間掛かって移動…と言うことは200キロ÷三時間ですから時速66キロなのです。
同様に、半額セールを謳った店で1000円の買い物をし、500円の金券をもらいます。
人々は50%引きの気分になりやすい。
この金券で翌日500円の買い物をすると、結局1500円分のものを1000円で買ったことになり、
33%引にしかならないのです。なんでこんな事が起きるのでしょうか?
また、人は統計学に至っては目も当てられない程弱いらしいです。
昭和30年代に「牛乳を飲むと癌になる」と騒がれた事があるそうです。
牛乳をよく飲む米北部は、それほど飲まない米南部より癌が多い、
牛乳を多く飲まない日本人と同様に約20倍も癌に掛かっていたそうで、
牛乳=癌の要因ではないかと…見落とされているのは平均寿命です。
当時(明治大正から戦前まで)の米南部や日本人の平均寿命は40歳代であり、
単に癌を発生する前に亡くなる場合が多かったからと言う事です。
世の中には情報が氾濫しています。
意図して考え方に方向付けさせるためにデーターを表す事は往々にしてあると思われます。
しっかりと、ことの本質を捉えながら常に疑問視しながら情報を読み取っていく必要があると思われます。
そう言う意味でも情報の取捨選択が大事ですし、
その為にも日々多くの事を勉強していかなければいけないとも感じました。