2023年8月(社内回覧書類より抜粋)
お盆が過ぎたというのに、残暑というよりも、
まだまだ酷暑と言われるような日が続いています。
9月初旬まではこのような天候が続くのではと思われますので、
体調には十分気を付けていただき業務の遂行をお願いしたいと思います。
さて、お盆休みはゆっくり出来ましたか?
今年のお盆休みは暦の関係もあって比較的長く取れたと思っています。
家族との時間を設けたり、自分の趣味を満喫したり、
有意義な休日が過ごせたのではないでしょうか。
脳科学者の茂木健一郎先生は、『「何もしない」時間が、実は最も生産的だった』、
と本に書かれています。
人間の脳は「休み」という事がなく、心臓と同じでずっと活動をしているそうです。
一見、休んでいるようで、本当は、本人が仕事をしていようが、
遊んでいようが違うモードで常に活動を続けているそうです。
脳内には「デフォルト・モード・ネットワーク」という変わった神経回路があり、
脳の各部位をつないで束ねる中心的な役割を果たしているそうです。
通常、人の脳は何かを考えている時には活発に活動します。
「デフォルト・モード・ネットワーク」はそうした時には活動を潜め、
無目的で何も考えていない時だけ活発化する特性があるそうで、
いわば、脳がアイドリング状態の時に活動する神経回路だという事です。
この神経回路は記憶の整理をしたり、感情の矛盾を解消したり
様々な働きをすることで脳を整え、再びアクティブに
活動できるようにしてくれる回路なのです。
ボーッとしている時に脳内でひっそりと反省会が開かれており、
物事を整理整頓してくれる役割だという事の様です。
今の現代社会は非常に慌ただしく、誰もが毎日を忙しく暮らしています。
それは、仕事であり、私生活であり、多くの日常生活がそうです。
それに加え、多くの人たちはスマホやパソコンで多くの情報を収集し、
SNS等によって自己存在感や存在意義をアピールすることによって
自分自身の満足感を得ようとしています。
とにかく何かをしていないと気が済まなくなる、
または不安になる状況に陥るようになって来ています。
茂木先生はそんな毎日を送っている時に敢えてバカンスを設け、
基本的に「何もしない」事をルールとしてリゾートホテルでゆっくりと暮らしたそうです。
すると不思議なことに2、3日目に脳が芯の方からカーッと温まる感じがして
全身に命がみなぎるような感覚を覚えたそうです。
当時の茂木先生は、次第に社会のやり方に染まってきており、
現実的な仕事を続けるのも良いかなと思い始めていた時だったそうです。
しかし、そのバカンスの後はというと、子どもの頃から胸に抱いていた、科学など世界のどこでも通用する分野でクリエイティブな仕事をしたいという野望のようなものが蘇ってきたそうです。
今から思うと、あの時にバカンスをとっていなかったら
現実路線のままの人生を送っていたかもしれないと思ったそうです。
盆休が終わった時に書く内容ではなかったかもしれませんが、
休日に思い切ってスケジュールを真っ白にすることによって、
真っ白になった空白を埋めるために脳が神経回路の奥から
記憶を引き出してくれるのかもしれません。
その記憶はきっと忘れかけていた自分の思いや、
仕事のやり甲斐のような熱い思いを蘇らせる良い機会になるかも知れません。
思い切って罪悪感を抱くくらいに“ゆったり”してみては如何でしょうか…
そう言っている自分がなかなか実現できませんが、
そんな時間を作る、これも努力して行うべき事かとも思いました。