2024年7月(社内回覧書類より抜粋)
8月も近くになりました。
梅雨明けが待ち遠しいと(皆さんの目に届くときには梅雨は明けているかもしれませんが…)とともに今年も暑い夏が訪れようとしています。
今年の夏は特に暑くなるという長期予報もありますので体調管理には十分に気を付けていただき、規則正しい生活をお願い致します。
特に十分な睡眠と、水分補給、休日明け等には注意して頂ければと思います。
さて、「不易流行」(ふえきりゅうこう)という言葉を知っていますか?
「不易流行」とは松尾芭蕉が、それまで言葉遊びと評されていた俳諧の理念を芸術性の高い形にした時に
芭蕉本人が「奥の細道」の中で、「変わらないもの(不易)を理解しないで基礎は成立しないが、
変わるもの(流行)を理解しないときには進展がない」と書いており、その時に出来た言葉と言われています。
「不易」と「流行」はどちらか一方を重視するものではなく、「不易」と「流行」を同じように扱うからこそ、
確かな基盤に基づいた新しい芸術が生まれる」という風に芭蕉は考えたのだとも言われています。
また、いつまでも変わらないものの中に新しい変化を取り入れることを指す言葉とも言われていますし、
新しさを求めて変化をすること自体が、世の常であるということも表しているそうです。
これを仕事に置き換えるとすればどうなるのでしょうか。
過去の経験や成功事例を基礎としながらも、現代の価値観や方法を考え加えた
仕事のやり方を行っていかなくてはならないと理解出来るのではないでしょうか。
技術者として大切な部分は大切にキープしつつ、新しい考え方・柔軟な考え方を行うと言えるのではないでしょうか。
よく似た言葉としては「温故知新」(おんこちしん)という言葉もあります。
この言葉は、教育現場でよく使わる言葉だそうで、意味は、昔について調べることで
新たな見方や知識を得ることが出来るという事を示す言葉です。
つまり、歴史や古くからの習慣を学ぶことにより、新しい考え方や方法が発見できるということを意味しています。
「不易流行」も「温故知新」もどちらも古いものを大切にするという事では同じ意味だと考えられますが、
新しいものを発見するために古いものを大切にする「温故知新」と、
古いものを大切にしつつ新しいものを外から取り入れる「不易流行」とでは、
少し意味合いが違っていると考えられ、違った場面で使わる様です。
よく似た言葉としては、百世不磨(ひゃくせいふま)という言葉もあります。
この言葉は、中国の「後漢書」由来の四字熟語で、「百世」は長い年月の事、「不磨」は擦り減らない事で、
合わせると、「いつまで消えることなく、価値を保ったまま後世まで続く」という意味です。
「不易流行」が「いつまでも変わらないものを大切にしている」という点では類義語とも言えるでしょう。
また、「百世不磨」を目指すためには新しいものを取り入れていく柔軟さも大切でしょうから、
「百世不磨」な企業や伝統などは「不易流行」でもあると言えるのではないでしょうか。
企業も「価値を保ったまま存続していく」という事は難しい事ではあります。
常に時代に即した新しい考え方や方法、そして人材も含めて取り入れていく事は、
強いては企業その物の価値を高め、必要とされる企業、長く継続していける企業になるのだと思います。
言葉一つでも深い意味合いがあるのだと感心しつつ、皆さんと一緒に新しいことにトライしていかなくてはならないと感じました。