2025年10月(社長回覧資料より抜粋)
「小さな違和感」に気づく力が安全を守る
今回は「ハインリッヒの法則」について触れたいと思います。
この法則は、「1つの重大事故の背後には29の軽微な事故、さらにその背後には300の異常がある」というものです。
つまり、重大事故を防ぐには、日々の小さな異常や違和感に気づき、対処することが重要です。
現代では安全装置や管理体制の進化により、重大事故の発生率は低下していますが、それでも「小さな違和感」を見逃さないことが事故防止の鍵となります。
ベテランほど経験に頼ってしまい、「気のせい」と見過ごしてしまうこともあるため、常に新鮮な視点を持つことが大切です。
最近では、AI技術を活用して、作業員の何気ない発言や動作から異常の兆候を検知する取り組みも進んでいます。
人間の感覚だけでは捉えきれない違和感を、データとして可視化することで、より安全な現場づくりが可能になります。
事故の原因は、突き詰めると「無知」「無視」「過信」の3つに集約されると言われています。
知識や経験で「無知」は減らせますし、「無視」は手順の徹底で防げます。しかし「過信」は、特に経験豊富な人ほど陥りやすいものです。
「危険だから気をつけよう」と思える現場では事故は起きにくいものです。
逆に、「以前も大丈夫だったから今回も大丈夫」と思った瞬間に、事故は起こり得ます。
皆さんにはぜひ、「無知」「無視」「過信」を意識しながら、日々の業務に取り組んでいただきたいと思います。


